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日本口腔衛生学会が提言。虫歯予防のために親子で食器共有を避ける必要「なし」

日本口腔衛生学会が提言。虫歯予防のために親子で食器共有を避ける必要「なし」
Toca Boca/Flickrのクリエイティブコモンズ

昔から、親と子どもが食器を共有すると「虫歯菌がうつる」と信じられてきた。8月31日、そんな常識を変える提言が、日本口腔衛生学会から出されている。

 

親と子の食器共有を避けなくても良い理由

 

提言内で日本口腔衛生学会は、虫歯予防のために親子で食器共有を避ける必要はないとしている。その理由は主に3つだ。

 

・日々の親子のスキンシップで子どもは親の唾液に接触しているから、食器共有まで気にしすぎる必要がないため

・食器共有をNGとする理由に、親のミュータンス連鎖球菌が子どもに感染することがあげられているが、ミュータンス連鎖球菌だけがむし歯の原因菌ではないから

・虫歯の原因は砂糖摂取や歯みがきなど様々なため

 

つまり、虫歯予防のために親子で食器共有を避けたとしても、親と子の唾液接触を避け切ることができないこと、そしてミュータンス連鎖球菌だけがむし歯の原因ではないことが理由だ。

 

子どもの虫歯を予防する方法

 

提言の中では、親から子に口腔細菌がうつったとしても、砂糖の摂取を控える、親が毎日仕上げみがきを行って歯垢を除去する、フッ化物を利用することで子どもの虫歯を予防できるとしている。

 

親の唾液との接触に気を付けるべきか

 

2023年8月に発表された研究では、親の唾液に接触することが子どものアレルギーを予防する可能性が示された。

 

ただし、風邪や胃腸炎など唾液でうつる感染症は他にもあるため、それらを予防するには食器の共有を避けるのは良い手段だ。

 

つまり、親の唾液に子が接触するのは、虫歯予防ではなく感染症を予防するためには避けた方が良いが、デメリットだけではないということのようだ。

 

また、先天性トキソプラズマ&サイトメガロウイルス感染症患者会によれば、健康な人には無害なサイトメガロウイルスだが、妊娠時に母体が感染して胎児まで感染すると、赤ちゃんを病気にすることがあるという。

 

そのため、妊娠中には小さな子どもとフォークやコップなどの食器を共有したり、食べ残しを食べたりすることは避けるようにとしている。

 

出典元:日本口腔衛生学会「乳幼児期における親との食器共有について」(8/31)

出典元:JACI Global「Saliva contact during infancy and allergy development in school-age children

出典元: 先天性トキソプラズマ&サイトメガロウイルス感染症患者会「(2)子供と食器を共有、食べ残しを食べるのはやめましょう

アイキャッチ画像出典元:/Flickrのクリエイティブコモンズ

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