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超大陸「パンゲア・ウルティマ」が形成された場合、人類が滅亡する可能性

超大陸「パンゲア・ウルティマ」が形成された場合、人類が滅亡する可能性
flickr_Kevin Gill

遠い未来、超大陸が形成された場合、人類などが絶滅する可能性が示された。

 

2億5000万年後、極端に暑い気候

 

その超大陸とは、「パンゲア・ウルティマ(Pangea Ultima)」だ。これは遠い将来、現在の大陸がすべて合体して形成される、と予想されている。

 

9月25日に「ネイチャー・ジオサイエンス」誌に発表された研究論文によれば、この大陸が形成された場合、2億5000万年後には人類と、現存するその他の哺乳類が絶滅する可能性があるという。

 

この絶滅は、現在の2倍の二酸化炭素を大気中に放出する火山活動の活発化や、より多くの放射線が放出される太陽の老齢化、熱帯地方の内陸砂漠の広がりなど、主に熱ストレスによってもたらされる可能性があるそうだ。

 

Nature Geoscience

90%が死滅した時代に逆戻り

 

今回、研究者たちは、イギリス気象庁の気候モデルと、ブリストル大学のスーパーコンピューターを使い、超大陸生成のシミュレーションを行ったという。

 

その結果、パンゲア・ウルティマの時代には、沿岸部では現在よりも湿度が高くなり、広大な内陸部の砂漠では極度の乾燥状態になるなど、気温の極端さが劇的に変化することが予想されたそうだ。

 

またその世界では、気温が産業革命以前のレベルよりも15℃、内陸では30℃も上昇する可能性があり、2億6千万年前のペルム紀-三畳紀に経験した、極端に暑い世界に逆戻りすることになるという。

 

しかも、そのペルム紀-三畳紀の時代には、生物の90%以上の種が絶滅したとされている。

 

40℃以上は生物の許容レベルを超える

 

そもそも40℃を超える暑さが長く続くと、多くの生物の許容レベルを超えてしまうという。

 

ヒト科の動物が出現したのは、世界が恐竜時代よりもずっと涼しかった約600万年前。その後人類は驚くほど急速に発展してきたが、「パンゲア・ウルティマ」の時代には、現在のような気候危機や他の種の大量絶滅を乗り越えたとしても、莫大な困難に直面すると考えられている。

 

例えば、暑さによる直接的な影響に加え、植生の崩壊による深刻な食糧供給の問題が発生するという。今回の論文の主執筆者である、ブリストル大学のアレクサンダー・ファーンズワース氏も、次のように述べている。

 

「地球は非常に変わりやすい環境です。人類は今のままで非常に幸運であり、私たちは、人類が進化できた冷涼な気候を超えるような気候(温暖化)を押し進めるべきではありません。我々は支配的な種ですが、それがいつまで続くかは、地球とその気候が決めることです。その後どうなるかは誰にもわからない。支配的な種は、まったく新しいものになるかもしれません」(了)

 

出典元:The Guardian:‘Supercontinent’ could make Earth uninhabitable in 250m years, study predicts(9/25)

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