NASAが、土星の衛星「タイタン」での大気圏飛行のミッションを準備
NASAは、土星の衛星において飛行する計画を立てており、その準備を進めているという。
地表に液体が存在する衛星
その衛星とは「タイタン」だ。ここは濃密な大気を持つ唯一の衛星であり、地球を除けば宇宙で唯一、地表に液体が存在する証拠が見つかっている。
そしてNASAは現在、ニューフロンティア計画の一部として、「タイタン」の大気圏内を飛行するというミッション「ドラゴンフライ」の準備を進めているそうだ。
このミッションでは、「タイタン」の居住適正を研究するため、様々な場所で物質を採取する予定だという。
生命が存在するかを調査予定
このミッションでは、探査機「ドラゴンフライ」が2027年6月に打ち上げられ、2030年代半ばに「タイタン」に到着する予定とされている。
そして計画は約3年間続けられる予定で、有機化合物がどのように形成されたかを研究したり、過去または現存する生命が「タイタン」に存在するかどうかを調べたりするそうだ。
NASAによれば、「タイタン」の環境は初期段階の地球に似ており、地球で生命がどのように形成されたかを知る手がかりになるかもしれないという。
ドローンのような回転翼機をテスト
「タイタン」の大気圏内における飛行に使われるのは、ドローンのような回転翼機。研究者たちはバージニア州にある「NASAラングレー研究センター」において、テストを実施したそうだ。
そしてミッションのさまざまな段階において、「タイタン」に近い過酷な条件下での、回転翼機の空力性能を評価したという。
このテストでは、様々な風速、ローター(回転翼)速度、飛行角度で予想される飛行範囲の条件が調べられ、すべての実験目的は成功裏に達成されたという。(了)
出典元:ABC News:NASA’s Dragonfly preparing to fly through atmosphere of Saturn’s moon Titan(10/26)