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外国人観光客呼び込みに向け、日本各地でナイトライフ拡充への動きが広がる

外国人観光客呼び込みに向け、日本各地でナイトライフ拡充への動きが広がる

眠らぬ街、東京といえば早朝まで開く居酒屋やカラオケなど、世界的にみても終電後の時間帯に楽しめるナイトスポットが充実している、とのイメージを抱かれる方も多いのではないだろうか。

 

ところが本サイトでも以前お伝えしたように、ホステル予約サイト「HostelWorld」が選ぶ世界において最も質の高いナイトライフを過ごすことのできる都市に、東京は選出されていない。

 

この理由として、東京には一晩中運行する公共交通機関が存在しないことが挙げられているが、これについては東京を訪れる外国人観光客の間からも不満の声が聞かれてきた。

 

 

一方、このような現状は東京都に限ったことではない。

 

週末の夜に一晩中公共交通機関を運行させる都市が世界各国で数多くみられる一方、そのような公共交通機関がない日本では、外国人観光客に終電以降の時間帯をどう過ごしてもらうかが課題となっていた。

 

このような現状を変えるべく今、全国各地でナイトライフの充実に向けた動きが現れている。

 

豊島区ではナイトマーケットなどの開催を提案

 

そんな動きを率いる地区の一つが豊島区だ。

 

同区では昨年12月から2月にかけ、2度にわたり「豊島区アフター・ザ・シアター懇談会」を開催。

 

懇談会では複数の劇場を擁する豊島区において、観劇後の時間帯にも安心して楽しむことのできるエンタテインメントの実現に向けた話し合いが行われた。

 

参加者の中からは公園におけるナイトマーケットの開催や、屋台を利用したDJイベントの開催などのアイディアが上がったという。

 

豊島区では池袋駅からほど近い公園に野外劇場を建設するなど、近年芸術や文化に関心を抱く人々や観光客の呼び込みに力を入れてきた。

 

一方、どのようにすれば訪れる人が観劇後にも同区に留まり、安全にナイトライフを楽しむことができるかというのは課題になっていたという。

 

 

大阪府では助成金により外国人向けのショーも

 

豊島区よりもさらに先をゆくのは大阪府だ。

 

同府では昨年よりナイトライフ拡充のための助成金を創設。

 

こちらの助成金では、梅田のクラブ「ピカデリー」における外国人観光客向けのショーを含む7つのプロジェクトが選出されたという。

 

このショーでは忍者衣装をまとったダンサーらが踊ったり、和太鼓や電子三味線による演奏が行われたりと、外国人が喜ぶ演出が数多く行われ、既に人気を集めているとのことだ。

 

 

外国人呼び込みの成功例は長野県?

 

一方、観光庁が外国人観光客呼び込みに成功した例として挙げるのは、意外にも長野県だ。

 

同県では1998年の長野冬季オリンピックを記念し、毎年2月に善光寺で「長野市灯明祭り」を開催。

 

イベント期間中は善光寺の参道に燈篭がともされると共に、数多くの出店が軒を連ね、毎年数十万人にも及ぶ人が訪れているという。

 

 

これについて観光庁の担当者は「大都市のみならず、スキーや温泉のリゾート地として知られる地においても、夜間に外出する機会を創出することができれば、飲食などにおける消費を拡大させることができる」とする。

 

観光庁は全国でナイトスポット拡充に支援

 

観光庁の統計によると、2017年に日本を訪れた外国人観光客の数は2869万人。

 

さらに彼らが日本国内で消費した額は4兆4100億円以上にも上り、過去最高を記録したという。

 

一方、中国人観光客による“爆買い”の鎮静により、一人当たりの消費額は15万円と減少しているのも事実だ。

 

また旅行先でのナイトライフを重視する欧米の外国人の間からは、日本の夜に対する不満の声も聞かれているという。

 

そのような中で夜間帯のエンタテインメントの拡充は、外国人観光客呼び込みに向け大きな潜在力を秘める分野であるとして、注目を集めているとのことだ。

 

観光庁は今後日本全国におけるナイトスポットの拡充に向け、支援を行っていくことを計画しているという。

 

2020年の東京オリンピック開催を前に、今後もさらに増加していくことが予想される訪日外国人観光客。

 

彼らに旅行の時を楽しんでもらうと共に、再び日本を訪れたいと思ってもらうため、今後も様々な取り組みが行われていくことを期待したい。

 

出展:KYODO NEWS :Japan pulls out stops to improve nightlife for foreign tourists(3/21)

出典:ココシル池袋 :「豊島区アフター・ザ・シアター懇談会」開催、観劇鑑賞後もさらに楽しめるまちへ(2017/12/27)

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