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イスラエルの狙撃兵がキリスト教徒の母娘を射殺、伊外相なども批判

イスラエルの狙撃兵がキリスト教徒の母娘を射殺、伊外相なども批判
X_Aid to the Church in Need UK Press Office

先日、イスラエルのスナイパーがキリスト教徒の女性2人を射殺したことを受け、各方面から非難の声が寄せられている。

 

教区内にいた母娘を射殺

 

この事件が起きたのは12月16日、場所はガザ市にある、キリスト教カトリックの聖家族教区内とされている。

 

エルサレムにあるローマ・カトリックのラテン総主教庁によると、母親のナヒダ・ハリル・アントンさんと、娘のサマルさんは、修道院に向かって歩いていたところを、イスラエル軍の狙撃兵によって射殺されたという。

 

撃たれた1人を、安全な場所へ運ぼうとしている時に、もう1人が射殺されたそうだ。総主教庁は、次のように訴えている。

 

「教会の敷地内で他の人を守ろうとして、さらに7人が銃撃され負傷した。警告も通知も行われませんでした。彼女らは、武装勢力のいない教区の敷地内で冷酷に射殺された」

 

ガザ地区にいるキリスト教徒の家族のほとんどは、戦闘が始まって以来、この教区内に避難しているという。

 

伊外相、英大司教なども非難

 

またCNNの記事では、障がい者54人が収容されている教区内の修道院が、イスラエル軍の戦車に襲われ、発電機と燃料タンク、太陽光パネル、給水タンクが破壊され、「居住不能」になったとも報じられている。

 

さらに聖家族教会では、イスラエル軍からの白リン弾や銃による攻撃を受け、清掃作業員ら2人が射殺されて、遺体も屋外に放置され、発電機も停止したとの証言が寄せられていた。

 

イタリアのアントニオ・タジャーニ外相は、ガザ地区にあるキリスト教徒の施設内で、人々を銃撃し殺害したとし、イスラエル軍を批判。次のように述べた。

 

「(イスラエルの)狙撃兵が教会内で女性2人を射殺した。これはハマスとの戦いとは、何の関係もない。なぜならテロリストが、キリスト教の教会に隠れているわけはないのだから」

 

またイギリス・カトリック教会の最高位聖職者であるビンセント・ニコルズ大司教(ウェストミンスター教区)も、イスラエルの狙撃兵による母と娘の射殺は「冷酷な殺人」だったと断罪。今回の銃撃は「イスラエルの自衛権とは何も関係がなかった」と非難した。

 

EUの外交政策責任者である、ジョセップ・ボレル氏も、SNSの「X」において、「ガザ地区では、あまりにも多くの民間人が殺害された」とし、次のように述べた。

 

「確かに、私たちはガザでのイスラエルの軍事作戦における、驚くべき区別の欠如(見境のなさ)を目の当たりにしている。最近の軍事作戦では、(カトリック)教徒やイスラエル人の人質3人、その他数百人の民間人が死亡した。これは止めなければなりません。人道的休戦が緊急に必要です」

 

 

一方、アメリカのロイド・オースティン国防長官は12月18日、イスラエルを訪問し、ヨアヴ・ギャラント国防大臣と会談。「イスラエルの安全保障に対する、アメリカの支持は揺るぎない。イスラエルは一人ではない」と述べたという。

 

ガザ地区の保健当局の発表によれば、10月7日にイスラエルによる攻撃が始まって以来、1万9453人のパレスチナ人が死亡し、5万2286人が負傷したという。(了)

 

出典元:The Guardian:Israel-Gaza war live: US support for Israel ‘unshakeable’ but protecting Gaza civilians ‘a moral duty’, says defence secretary(12/18)

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