イスラエル軍によるヌセイラト難民キャンプへの攻撃で、死者が274人に
イスラエル軍が6月8日に行ったガザ地区中部のヌセイラト難民キャンプへの攻撃で、さらに犠牲者が増えたと報じられている。
パレスチナ人の負傷者は798人
ガザ地区の保健当局によれば、イスラエル軍が人質を奪還する作戦で、ヌセイラト難民キャンプに大規模な攻撃を加えた結果、死者数は274人に上り、負傷者は798人になったという。
殺害された274人のパレスチナ人のうち、少なくとも64人は子供で、女性が57人、高齢者が37人になるそうだ。
イスラエル軍は戦闘機やドローン、戦車などを使って難民キャンプに大規模な攻撃を加え、「ハマス」に捕らえられていた4人の人質を救出したが、EUなどはこの攻撃を「大虐殺」と呼んでいる。下の動画はショッキングなため、閲覧にはご注意いただきたい。
Israel’s operation to free four captives held by Hamas killed more than 270 Palestinians and injured around 700 others in Gaza’s Nuseirat refugee camp.
What’s being praised as a success in Israel has been condemned by several countries and international organisations. pic.twitter.com/CNkUBa2z2m
— Al Jazeera English (@AJEnglish) June 9, 2024
この攻撃で3人の人質が死亡か?
また「ハマス」の武装組織「カッサム旅団」は、イスラエル軍のこの攻撃で、1人のアメリカ人を含む、3人の人質も殺されたと主張している。
一方、イスラエル側は、この作戦で3人の人質が殺されたことを否定。「カッサム旅団」の主張は「単なるプロパガンダ」だと一蹴した。
「カッサム旅団」は殺された人質の名前を明らかにしていないが、3人の人質と思われる遺体の動画も投稿している。
死者数が3万7000人を超える
イスラエル軍は南部のラファへの攻撃も続けており、パレスチナの医療関係者によれば、6月9日にも、ラファ西部のタル・アス・スルタン地区にある住宅が空爆され、2人が死亡したという。
またガザ地区北部にあるガザ市へも、イスラエル軍は空爆を行い、子供1人と女性2人を含む4人が殺害されたそうだ。
ガザ地区の保健当局によれば、これまでに少なくとも3万7084人のパレスチナ人が殺害され、瓦礫の下にはさらに数千人が埋まっている可能性があるという。
イスラエルの前国防相が辞任
イスラエルの中道派の政治家、ベニー・ガンツ前国防相は、ネタニヤフ首相が率いる戦時内閣から離脱すると発表した。
ガンツ氏は以前から、ネタニヤフ政権がガザ地区の戦後計画を示さない限り、内閣から離脱すると表明していた。
実は戦後計画の不在については、ガラント国防相も非難しており、彼はガザ地区に文民統治を敷かず、軍事支配をせず、ただちにハマスの代替組織を設立するよう訴えていた。
またオーストリアに駐在しているパレスチナの代表部は、国際原子力機関(IAEA)に対し、イスラエル軍がガザ地区で劣化ウラン弾を使用したかを調べるために、監視員を派遣するよう要請した。
劣化ウラン弾は核兵器とはみなされていないが、低レベルの放射線を放出するため、IAEAは被曝の危険性について警告している。(了)
出典元:Al Jazeera:Israel’s war on Gaza live: Death toll passes 37,000 after ‘barbaric attack’(6/9)