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ナミビアで干ばつの影響を受けた人々を救うため、700頭の野生動物を殺処分へ

ナミビアで干ばつの影響を受けた人々を救うため、700頭の野生動物を殺処分へ
flickr_Vince Smith

アフリカ南西部に位置するナミビア共和国では、干ばつの影響を受けた人々を救うため、今後数多くの野生動物が殺処分されることになった。

 

過去100年で最悪の干ばつ

 

ナミビアでは現在、過去100年で最悪の干ばつに見舞われており、同国の環境・林業・観光省は声明で、国民の食料を確保するために、723頭の野生動物を殺処分する予定だと明らかにした。

 

殺処分される野生動物の内訳は、カバ30頭、バッファロー60頭、インパラ50頭、ヌー100頭、シマウマ300頭、ゾウ83頭、エランド(レイヨウ)100頭になるという。

 

殺処分は、プロの狩猟者とサファリ業者により、持続可能な数の動物が生息する国立公園と共用地域で行われるそうだ。

 

この殺処分により数万キロの狩猟肉が生産される見込みで、干ばつ救済プログラムにより、食料不安に苦しむ人々に割り当てられる予定だという。

 

人口の約半数が食料不安

 

国連の7月の報告書によると、ナミビアの人口のほぼ半数(48%、約140万人)が、現在深刻な食糧不安に陥っているという。

 

国連事務総長のステファン・デュジャリック報道官も、8月23日の記者会見で、「ナミビアの食糧備蓄の84%はすでに枯渇しており、人口のほぼ半数が7月から9月にかけて高レベルの食糧不安を経験すると予想される」と述べていた。

 

ナミビア政府の環境・林業・観光省も声明で、次のように述べている。

 

「国内の深刻な干ばつ状況により、何も介入しなければ(人間と野生動物の)争いが増加することが予想される。この作業は必要であり、天然資源はナミビア国民の利益のために使われるべきだとする、憲法上の義務に沿ったものである」

 

また野生動物の殺処分は、国立公園と公共地域の両方における野生動物の保護の観点からも、干ばつの悪影響を軽減するのに役立つという。(了)

 

出典元:ABC News:Namibia to cull over 700 animals to feed those affected by drought(8/30)

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