ユダヤ人団体がコロンビア大の学生の釈放を要求しデモ、100人以上が拘束される

進歩的なユダヤ人の団体が、アメリカ・ニューヨークで、拘束されたコロンビア大の学生の釈放を要求し、デモを行った。
「トランプ・タワー」のロビーを占拠
このデモは団体「ユダヤ人平和の声(Jewish Voice for Peace)」によって組織され、3月13日に、ニューヨーク市にあるトランプ大統領の邸宅「トランプ・タワー」の中で抗議活動を行ったという。
彼らは、「トランプ・タワー」内のロビーを占拠し、コロンビア大学で親パレスチナの抗議デモを主導したとして拘束されている、パレスチナ人の大学院生、マフムード・カリルさん(30)の解放を要求した。

250人以上のデモ参加者の多くは、「ユダヤ人はイスラエルへの武器供与をやめろと言う」というメッセージが書かれた赤いTシャツを着ており、「マフムードを解放せよ、全員解放せよ」や「学生ではなくナチスと戦え」と叫んだそうだ。
またこのデモには、女優のデブラ・ウィンガーさんも参加し、彼女は「私は自分の権利のために立ち上がっているだけです。違法に拉致され、非公開の場所に連れて行かれたマフムード・カリル氏のために立ち上がっているのです」と訴えた。
Happening now: demonstrators invade Trump Tower.and call for release of student pro-Palestinian organizer Mahmoud Khalil. pic.twitter.com/hlb1WEMvN8
— Kristen Saloomey (@KSaloomey) March 13, 2025
約100人のデモ参加者を逮捕
しかしその後、ニューヨーク市警の警官が抗議デモに介入し始め、合計で約100人のデモ参加者が逮捕されたという。
警察側はその日の記者会見で、逮捕された者たちは不法侵入、妨害、逮捕への抵抗などの罪に問われていると明らかにした。
「ユダヤ人平和の声」も声明を発表し、次のように述べた。
「マフムード氏の拘留は、我々が抑圧的で権威主義的な政権による、完全な乗っ取りの瀬戸際にいることのさらなる証拠だ。良心あるユダヤ人として、我々は歴史を知っており、これがどこへ向かうのかも知っている。今、立ち上がるのは我々全員の責任だ。我々の多くはヨーロッパのファシズムに抵抗した人々の子孫であり、その闘争で命を落とした先祖はあまりにも多い。我々は先祖の強さを頼りにし、決して傍観してはならないと教えている我々の伝統を頼りにしている」
NOW: “Fight Nazis, not Students!” – Protesters chant as they occupy Trump Tower in Manhattan. pic.twitter.com/l6PhT7fj4m
— Oliya Scootercaster 🛴 (@ScooterCasterNY) March 13, 2025
学生ビザやグリーンカードも取得
マフムード・カリルさんは、コロンビア大学でのイスラエルへの抗議活動で主導的な役割を果たしたが、学生ビザも取得しており、グリーンカードも所持し、アメリカ市民の女性とも結婚している合法的な永住者だったという。
しかしトランプ政権は、親パレスチナのデモに参加した外国からの留学生への弾圧を強め、国外追放しようとしており、国務省はカリルさんの学生ビザやグリーンカードも無効にして、移民関税局の捜査員が3月8日に彼を拘束した。
カリルさんは修士号を取得しており、5月にはコロンビア大学を卒業する予定だったとされている。(了)
出典元:The Guardian:Almost 100 arrested during protest occupying Trump Tower over Mahmoud Khalil(3/13)