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全米各地に反ICEのデモが拡大、ロスでは夜間外出禁止令を発令

全米各地に反ICEのデモが拡大、ロスでは夜間外出禁止令を発令
X_Dorian Geiger

ロサンゼルスで抗議デモが5日目に入る中、移民・関税執行局(ICE)への抗議活動が全米の各都市に広がっている。

 

6月10日の夜から夜間外出禁止

 

まずロサンゼルスでは暴徒化した一部のデモ参加者が、警察や州兵などと衝突し、6月9日だけで、約100人が拘束されたという。

 

トランプ大統領は、さらに2000人の州兵を派遣し、合計で4000人の州兵と700人の海兵隊員がロサンゼルスの一部の町に配備されたそうだ。

 

またロサンゼルスのカレン・バス市長は6月10日、ロサンゼルス中心部の一部地域に夜間外出禁止令を発令すると発表した。

 

外出禁止は6月10日の午後8時から11日の午前6時(現地時間)まで実施されるが、今後複数回にわたって発令される可能性が高く、違反すれば警察に逮捕され、起訴されるという。

 

ニューヨーク市やボストン、ダラスでも抗議活動

 

一方、移民・関税執行局(ICE)に抗議するデモは、すでに全米各地に広まっており、ニューヨーク市やサンフランシスコ、ボストン、ダラス、シカゴ、アトランタなどでも抗議活動が行われたという。

 

ニューヨーク市では6月10日の夜、マンハッタン南部のフォーリー・スクエアに、少なくとも1500人以上のデモ参加者が集まり、移民・関税執行局(ICE)による捜査や移民の拘束に抗議の声を上げた。

 

 

ある参加者は「私たちは、すべての移民に完全な権利を与えるためにここにいる。捜査と強制送還を止め、州兵と軍隊をロサンゼルスから撤退させたい」と述べたという。

 

また6月9日にはニューヨーク市にあるトランプタワーでも、デモ参加者による座り込みが行われ、不法侵入と秩序を乱す行為で24人が拘束されていた。

 

なぜICEの捜査に批判が集まるのか?

 

そもそもトランプ政権は、移民・関税執行局(ICE)に対し、1日あたり少なくとも3000人の移民を逮捕するというノルマを課している。

 

このため移民・関税執行局は、強引に移民を捕らえ、適正な裁判の手続きも経ないまま、即座に海外へ国外追放してきた。

 

中には裁判所の保護措置があった人物を捕らえ、間違ってエルサルバドルの刑務所へ送還したと認めたものの、その後もアメリカへ帰国させない事態が続いていた。

 

トランプ政権が最高裁の命令を拒否、エルサルバドルへ誤送還された男性を帰国させず

 

他にも突然、移民ステータスが変更されたと告げ、その場で拘束するケースも後を絶たない。

 

19歳のベネズエラ人、理由もなく米移民局に拘束され、エルサルバドルの刑務所へ

米・ニュージャージー州の市長が、移民関税執行局に逮捕される

 

メキシコのシェインバウム大統領も6月10日、声明を発表し、「我々は、アメリカ当局に対し、すべての移民手続きが、人間の尊厳と法の支配を尊重する枠組みの中で、適正手続きを遵守して実施されるよう、断固として要請する」と述べた。

 

トランプ氏、「反乱法」を検討

 

一方、トランプ大統領は10日、他の州でも軍を派遣することが起こりえると述べ、全米で抗議デモを抑え込む姿勢を示した。

 

またトランプ大統領は記者から問われ、反乱があれば「反乱法」を「必ず発動する」と発言し、様子を見る姿勢を示した。その上でトランプ氏は、根拠を示さず、デモ参加者を「金で雇われた反乱者であり、雇われたトラブルメーカーだ」と述べたという。

 

「反乱法」では、アメリカの法律の執行に反対または妨害し、司法の手続きを阻害する州において、「あらゆる反乱、自国内暴力、違法な結託、または陰謀」を鎮圧するため、大統領に軍隊を派遣することを認めている

 

このため「反乱法」を発動すれば、トランプ氏はアメリカ国内で「アメリカ軍」を法執行機関(警察)として活用できるようになるが、これはアメリカ国民の自由にとっての脅威になると考えられている。(了)

 

出典元:ABC News:LA protests live updates: Mayor announces curfew for parts of downtown Los Angeles(6/10)

出典元:CBS:ICE raids in New York City prompt another Foley Square protest(6/10)

出典元:The Guardian:Trump is deliberately ratcheting up violence in Los Angeles(6/10)

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