イスラエル政府、人質の遺体引き渡しが遅れていると「ハマス」を非難

イスラエル政府は、ガザ地区で死亡した人質の遺体の返還が遅れていると、「ハマス」を批判している。
重機や掘削機の搬入が必要
「ハマス」は10月13日、ガザ地区で人質となっていたイスラエル人20人を解放した。
しかし死亡した人質28人のうち、まだ9人の遺体しかイスラエル側に引き渡していない。
このためイスラエル側は、「ハマス」が停戦合意に違反していると非難した。
ただアメリカ政府と赤十字は、過去24カ月にわたるイスラエルの攻撃によってもたらされた壊滅的な状況の中、ガザ地区での人質の遺骨収容は実際上、極めて困難だと述べている。
また「ハマス」側も、回収可能な遺体はすべて引き渡したと主張。ガザ地区の廃墟から残りの遺体を回収するには、重機や掘削機の搬入が必要だと主張した。
イスラエルのネタニヤフ首相は10月16日、紛争で命を落とした兵士のための国家式典で、「戦争はまだ終わっていない」と発言。「イスラエルは戦争の目的をすべて達成するだろう」と述べたという。
ガザ地区南部で3人が死亡
一方、「ハマス」側も、10月10日以降、イスラエル軍がガザ地区で民間人に発砲し、24人を殺害したとして、停戦に違反していると非難。すでに1つ1つの事案について、仲介国に報告していると明らかにした。
また「ハマス」側は、イスラエルが「現地での違反行為を通じて、停戦合意を損なおうと昼夜を問わず活動している」と述べた。
ガザ地区の保健当局は10月16日、過去24時間以内に、イスラエルの攻撃で死亡した29人の遺体が病院に搬送されたと明らかにした。
この遺体のうち、22人は以前の攻撃で死亡し、瓦礫の中から収容され、また3人が負傷で死亡したという。
しかしイスラエル軍は再び南部のハンユニスで、空爆を行い、少なくとも3人のパレスチナ人が死亡し、16日には全域で4人が殺害されたそうだ。
またイスラエル側は、ガザ地区への人道支援物資の搬入も制限していたが、イスラエルのギデオン・サール外相は、南部ラファの国境検問所が10月19日に開放される可能性があると述べた。(了)
出典元:Aljazeera:Israel delays Rafah crossing reopening as Gaza awaits much-needed aid surge(10/16)
出典元:The Guardian:Israel and Hamas trade accusations as tensions rise over hostages’ remains(10/16)