ガザ地区でイスラエル軍が2人のパレスチナ人を殺害、「ハマス」は人質の遺体を返還

イスラエル軍は11月5日、ガザ地区で2人のパレスチナ人を殺害した。
「イエローライン」を越えたと主張
ガザ地区中部では5日、それぞれ2件の事件が起き、イスラエル軍により2人のパレスチナ人が殺害された。
イスラエル側も2人の殺害を認めており、2人がイスラエル軍陣地付近で、撤退している境界線「イエローライン」を越えたと主張している。
イスラエル軍は声明で、2人が兵士に対し「差し迫った脅威となるような方法で接近した」と主張。イエローラインを越えたため、発見後まもなく「排除」したと明らかにした。
ただこの境界線の位置についてはほとんど情報が明らかにされておらず、10月10日の停戦開始以来、数十人のパレスチナ人が、イエローラインを越えた、または近づきすぎたとして殺害されてきた。
Under the ceasefire agreement, Israel will return 15 of the hundreds of dead Palestinian bodies it holds from Gaza, reports Al Jazeera’s Nour Odeh.
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— Al Jazeera English (@AJEnglish) November 5, 2025
人質1人の遺体を回収
「ハマス」は11月5日の夕方、新たにイスラエル人の人質1人の遺体を回収し、イスラエル側に引き渡した。これで28人の遺体のうち、22人を引き渡したことになる。
遺体は赤十字を通して、イスラエル軍に引き渡され、その後イスラエル政府も受け取ったと発表したが、まだ遺体の身元は確認されていない。
ガザ地区の保健当局の関係者によれば、この人質の遺体はひどく腐敗し、頭部も欠けており、遺体の身元の確認は困難だったという。
またイスラエル側が、DNA検査機器のガザ地区への持ち込みを許可していないため、現地での遺体の身元確認作業も妨げられているそうだ。
「壊滅的」な水不足に陥る
一方、ガザ地区では、停戦中であるにもかかわらず、イスラエル側が支援物資の搬入を制限しているため、「壊滅的」な水不足に陥っているという。
イスラエル軍による攻撃で、水道網や井戸、淡水化プラントなどが破壊されており、88基の井戸のうち、稼働しているのはわずか17基のみで、中央淡水化プラントは完全に停止しているそうだ。
また現在、ガザ地区に供給されている水の量は、1日に必要な水の15%にも満たないと言われている。
356戸の新規住宅建設を計画
イスラエルの建設住宅省は今週、ヨルダン川西岸地区中部のラマラ南東の不法入植地において、356戸の新規住宅建設のための2件の入札を公表した。
イスラエルの人権団体「ピース・ナウ」によると、計画では5つの居住区に342戸の住宅を建設するほか、予備役兵の家族用住宅14戸も建設するという。
また、8月にはMa’ale AdumimとArielの入植地で、4030戸の住宅建設の入札が行われたそうだ。
今年に入ってから、すでに入植地向け住宅5667戸の入札が発表されており、これは過去最高の年間合計数となる。
「ピース・ナウ」によると、これらの住宅がすべて建設されれば、さらに2万5000人の入植者が占領下のヨルダン川西岸地区に居住するようになるという。
そもそもこれらの入植地は違法とされているが、イスラエル側はパレスチナ人の土地に人を住まわせることで、土地の所有を既成事実化し、ヨルダン川西岸地区の併合を進めてきた。
二国家解決を支持している「ピース・ナウ」も「アメリカの大統領は、併合を認めないと宣言したかもしれないが、イスラエル政府は現地で併合を実現し、イスラエルをアパルトヘイト国家に変えるためにあらゆる手段を講じている」と非難している。(了)
出典元:Aljazeera:Live: Hamas hands over body of Israeli captive; Israel kills two in Gaza(11/5)

























