外科医兼警察官!ロス市警に実在するケンジ・イナバがすごい
外科医として病院勤務の他に大学の教員も務め、15年間で450もの論文に関わり、さらに警察官としての顔を持つ男…。
まるでマーベルのヒーローのような存在だが、じつは米ロサンゼルスに実在する人物だ。外科医兼警察官であるケンジ・イナバとは、どんな人物なのだろうか。
外傷外科医兼大学教授兼警察官
米国内トップクラスの外傷外科医としてフルタイムの勤務をこなしながら、南カリフォルニア大学の教授として外科学の教鞭をとっているイナバ氏。管理職として信頼もされており、医療分野で着実なキャリアを築いている彼には、もう一つの顔がある。
警察官として月に数回、朝の6時30分から12時間にわたって担当地域のパトロールを行っているのだ。
もともとは、警察署から勤務医として警察官たちの健康管理に当たってくれないかと打診を受けたイバナ氏だったが、結局彼はトレーニングをうけて、外科医兼警察官となる道を選んだ。
2016年に警察官になるまでに、護身術や銃の扱い方など700時間のトレーニングを受けたそうだ。
「時間の使い方がうまいんです」と、同大学の広報で発言している彼だが、タイムマネジメントの巧みさは、スーパーヒーロー級の能力だといえるだろう。
2018年6月にロサンゼルス市警察(LAPD)はChief Surgeon(軍医長)のポジションを新設し、イナバ氏を任命した。
Honored to name my friend Dr. Kenji Inaba our 1st Chief Surgeon of the #LAPD. Kenji is not only a dedicated Reserve Officer, he’s also a @USC Professor of Surgery while also being a full time trauma surgeon. He’s the embodiment of the slogan #TwiceACitizen pic.twitter.com/B4lL1oryJL
— Chief Charlie Beck (@LAPDChiefBeck) June 16, 2018
両親から教えられた「奉仕」の精神
なぜフルタイムの勤務を抱えながら、仕事以外の貴重な時間を警察官としての職務に費やしているのだろうか。両親は彼が小さなころから、ボランティア精神の大切さを教えてきたのだという。
警察官は、外科医としての知識や技術をコミュニティのために使う最高の方法だと感じているそうだ。
CNNの取材にケンジ・イナバはこう答えている。
「警官と医者のときでは服装は違うけれど、やっていることは同じだ。命を守っている」(了)
出典:NBC News「Police officer serves double duty as top trauma surgeon」(10/27)
出典:南カリフォルニア大学「To serve and protect, USC trauma surgeon moonlights as a cop」(10/2)