高台寺のアンドロイド観音、海外の反応は「フランケンシュタイン」
今年3月に一般公開された京都・高台寺のアンドロイド観音。公開当初から賛否両論が沸き起こっていたが、海外では批判的な声が多いようだ。
アンドロイド観音を開発した大阪大学が、最近、大規模なアンケート調査を実施した。その結果は日本のメディアでは報じられていないが、海外メディアが回答内容をピックアップして記事にしている。
若者向けに法話を行うロボット
アンドロイド観音は、AI(人工知能)によって法話を行う等身大ロボット。顔、肩、手だけがシリコンの皮膚で覆われており、それ以外の部分は機械がむき出しになっている。
海外メディアには「ディストピアSFスリラー映画に出てくる気味悪いサイボーグ」のよう、と書かれているこのロボットは、若者ウケを狙って導入されたものらしい。取材を受けた高台寺の後藤執事長は、フランスのメディアAFPにこう話している。
若い人たちは、寺社といえば葬式か結婚式のための場所だと思っているでしょう。
そういう人たちに、私のような時代遅れの堅苦しい僧侶が何か言っても、おそらく伝わらないのではないでしょうか。しかし、ロボットならそのギャップを楽しさで埋め、両者の橋渡しをしてくれるだろうと期待しています。
フランケンシュタインのよう
アンドロイド観音を開発した大阪大学は、実際に法話を聞いた人たちにアンケートを取り、その結果をまとめた。海外メディアには、好意的な意見として次のようなものが挙げられている。
普通のロボットにはない温かみが感じられた。
最初は少し不自然に感じたが、アンドロイドの話は理解しやすかった。物事の善悪について深く考えさせられた。
批判的な意見としては、ロボットは「偽物(フェイク)」であるという声が多かったらしい。こんな一例がピックアップされている。
ロボットの法話は心地良いものではなかった。ロボットの話し方や身振による表現は、ひどく人工的に感じた。
高台寺の後藤執事長によれば、「宗教の尊厳を壊している」という批判を多く受けているそうだ。そのほとんどが外国人からのものだという。後藤執事長は海外メディアにこう話す。
このロボットを見て、欧米の人々が最も気分を害しています。おそらく彼らは聖書の影響を強く受けているのでしょう。
欧米人はこれ(アンドロイド観音)をフランケンシュタインと比較しています。
日本人はロボットに対して、悪い先入観を持っていません。私たちは、ロボットと人間が友達になる漫画を見て育っています。西欧人の考え方はそれとは違うのでしょう。
(了)
出典元:AFP:Playing god: Japan temple puts faith in robot priest(8/14)
出典元:Fox News:Robot priest added to 400-year-old Buddhist temple in Japan: ‘It will grow in wisdom’(8/15)