英大手旅行会社の破綻を受け、格安航空会社の運賃が2倍に上昇、非難が殺到
イギリスの旅行代理店「トーマス・クック」が先日、財政難から経営破綻し、多くの人々が海外などの旅先で足止めされる事態となった。
さらにこの状況により、格安航空会社が値段を釣り上げたとして、非難を浴びている。
イギリスで最も古い旅行会社
今回破綻した「トーマス・クック」とは、178年の歴史があるイギリスで最も古い旅行会社で、2万2000人の従業員を抱え、年間の利用者数は1900万人ともいわれている。
しかし財政難から資金の融資を株主と交渉していたのだが、それが決裂。新たな融資が受けられず、ついに経営破綻することになった。
これにより「トーマス・クック」を利用して旅行をしていた約60万の人々が、旅先で旅客機に乗れず、空港で足止めされる事態になったという。(BBCでは15万人としている)
格安航空の便に変更する人が殺到
そんな状況の中で、代わりの便を利用しようとする人が、格安航空に殺到。需要が供給を大幅に上回ったため、「Jet2.com」の運賃は3倍に、「ラインエアー」の運賃も2倍に跳ね上がったそうだ。
利用者の1人であるJames Dunkerleyさんは、次のように語っている。
「メノルカ島(地中海)への2人分のフライトをバークレーカード(カード会社)で支払ってから、彼らは私にトーマス・クックに連絡するよう伝えました。その後、Jet2のフライトを試しました。ところが昨日は47ポンド(約6300円)だったのに、今日は145ポンド(約1万9000円)になっています。どうしてこんなことが許されるでしょうか」
また女性客のOlivia Howattさんも、Jet2.comが「トーマス・クック」の破綻のニュースが流れてから1時間後に、値段を2倍に上げたと主張。「本当に腹立たしい」と述べている。
しかし「Jet2.com」のスポークスマンは、当社はライブシステムを導入しており、需要や利用率などのさまざまな要因により、フライトの価格が変更すると説明。
また利用しようとした客の中にも、需要と供給について理解できるとする人もいたが、多くの人は納得していない。
怒りが収まらない人たちの中には「他人の不幸で利益を上げている」や「二度と利用しない」と非難する人もいるという。(了)
出展元:METRO:Jet2 branded ‘despicable’ after ‘trebling prices’ following Thomas Cook collapse(9/23)
出展元:NYPost:Doomed travel agency in danger of stranding over 150,000 British tourists(9/21)