「TikTok」に安全上のリスク、米陸軍が政府支給の電話での使用を禁止
アメリカ陸軍がセキュリティ上の危険があるとして、兵士らに「TikTok」アプリの仕事上での使用を禁止した。
12月中旬から使用を禁止
「TikTok」のアプリは、中国企業「ByteDance」が開発したものだが、最近までアメリカやその他の国々で、精査の対象になっていたという。
アメリカ陸軍のスポークスマンであるRobin Ochoa中佐も、以前メディアに対して「サイバー上の脅威があると考えられている」と述べたそうだ。
その上でOchoa中佐はMilitary.Comにおいて、アメリカ陸軍が軍関係者らに対し12月中旬から、政府が所有する携帯電話での、このアプリの使用を止めるようアドバイスしたと明らかにした。
この対応は、米海軍における同様の措置に続くものとされている。
両党の議員らも調査を求めていた
もっとも軍は、兵士らが持つプライベートな電話での、「TikTok」の使用を禁止することはできない。
しかし国防総省は、最近職員に対してガイダンスを提出。自らダウンロードするアプリに対して気を付けるよう指示したという。
またアメリカの国会議員も、「TikTok」が中国の情報機関によって強制的に協力させられ、米国民のデータを収集するのに使われる可能性があり、安全保障上のリスクもあると懸念の声を上げていたそうだ。
民主党や共和党の上院議員らは昨年の10月にも、米情報機関に対して「TikTok」による安全保障上のリスクについて調査するよう求めたとか。
アーカンソー州のTom Cotton上院議員も、2016年の大統領選挙においてSNS上で行われたのと同様に、「TikTok」が外国からの選挙干渉に使われる可能性があると指摘している。
一方、「TikTok」側は、ユーザーのデータは中国の国外で保管されており、中国の法律の影響下にはないと主張。さらにサイバーセキュリティやデータのプライバシーに関しても、しっかりとした強力なポリシーを持っていると反論している。(了)
出典元:BBC:TikTok app banned by US Army on work mobile phones(2019/12/31)
出典元:CNN:US Army bans soldiers from using TikTok over security worries(2019/12/31)