全米で太陽光や風力などの再生エネルギーが、石炭火力の発電量を上回る
アメリカで今年の4月に、再生可能エネルギーによる電力量が、石炭火力発電で作られた電力量を上回っていたことが明らかにされた。
40日間連続で再生エネが上回る
米エネルギー情報局(EIA)のデータによれば、4月は太陽光や風力、水力などによって生み出された電力量が、石炭火力発電による電力量を毎日上回ったという。
実際には期間が3月25日から5月3日に渡るのだが、少なくとも40日間連続で再生可能エネルギーの方が多くなったそうだ。
この記録は目覚しいもので、2019年には再生エネルギーによる電力量の上回った日が、合計で38日間しかなかったが、今年はすでに81日もあるとか。
実は昨年4月も、どの月よりも多く再生可能エネルギーによって電力が生み出されていたが、それでも石炭火力より上回った日は19日間しかなく、長くて9日間しか続かなかったそうだ。
2020年に再生エネへの移行が加速
石炭火力などからの移行は2020年に加速しており、これにはガスの価格低下や暖かい天候など、さまざまな要因があったという。
また昨年の後半に、相当量の再生可能エネルギーによって生み出された電力が、電力網に接続されたことも原因と考えられている。
そして最近では、コロナウイルスによる経済の停滞で、電力の需要が落ちていることも要因として挙げられているそうだ。
米エネルギー経済財政分析研究所(IEEFA)では2021年に再生可能エネルギーが石炭火力による電力量を越える可能性を予測していたが、今年はすでに4月に達成したことで、さらなる記録が続く可能性があるという。
もっともアメリカでは、天然ガスや原子力などでも電力を作り出している。そのため全体における再生エネルギーの割合はまだ一部と考えられるが、上の2017年のグラフで比べると、やはり以前より割合が増えたことがうかがえる。(了)
出典元:Institute for Energy Economics and Financial Analysis:IEEFA update: Renewables surpass coal in U.S. power generation throughout the month of April 2020(5/4)