「クルードラゴン」のカプセルにデブリが接近?後に衝突の危険はなかったと修正
先日、スペースXの宇宙船「クルードラゴン」が打ち上げられ、無事国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングに成功したが、その前にはある警告が発せられていたという。
「デブリが接近している」と警告
「クルードラゴン」は4月23日に、アメリカのケネディ宇宙センターから「ファルコン9」ロケットに搭載され打ち上げられ、翌24日にはISSに到着した。
そのカプセルには日本人の星出彰彦さんを含めた4人の宇宙飛行士が乗っていたが、彼らは午後1時43分(米国東部時間)、地上の管制センターから警告を受け取ったという。
当時、宇宙飛行士たちは眠る準備をしていたそうだが、管制センターの Sarah Gilles氏は彼らに対して、「宇宙デブリ」がカプセルに接近していると伝え、衝突に備えて、宇宙服を着用し、ヘルメットのバイザーを下げ、安全を確保するよう求めた。
動画が公開されるも…エラーだと修正
やがて宇宙デブリが接近したと見られたが、幸いにもカプセルに衝突することなく、そのまま通り過ぎていったと報告された。
SpaceXはこの時の映像も公開しており、そこには黒い塊のように見えるデブリが、「ファルコン9」の2段目が切り離される時、通過していく様子が映っていた。(下の動画では画面右に注目していただきたい)
Dragon has separated from Falcon 9’s second stage and is on its way to the @space_station! Autonomous docking tomorrow at ~5:10 a.m. EDT pic.twitter.com/rg1QjZEl9u
— SpaceX (@SpaceX) April 23, 2021
しかしその後、NASAは、このデブリが最接近した時でも、28マイル(約45km)も離れていたと結論付けた。そしてこの出来事はエラーだったとし、実は衝突のリスクはなかったと情報を修正したという。(上の動画との関係は、現在はまだ不明)
ただ当時は、もしこのような衝突が起きていれば、1986年にスペースシャトル「チャレンジャー」が上空で爆発して7人の宇宙飛行士が亡くなって以来、最悪の事故になっていた可能性があると語られていたそうだ。(了)
出典元:ABC News:False alarm: No space junk threat after all to SpaceX crew(4/27)