新型コロナウイルスのワクチン接種前に知りたい!お酒はどれくらい控えるべき?
飲食店の経営を圧迫し、お酒好きの楽しみを奪っている新型コロナウイルス。ワクチンを接種して、少しでも以前の日常に近づきたいと考えている人も多いはずだ。
そこで気になるのが、新型コロナウイルスのワクチン接種とアルコールの関係だ。
抗体量が増えにくいとの研究結果
千葉大学医学部付属病院が6月3日に公表した、新型コロナウイルスのワクチン(ファイザー社製)を2回接種した職員およそ1700人を対象にした研究結果によると、「お酒を毎日飲む人は、週に2、3回の人や飲酒しない人よりもワクチンによって抗体量が増えにくい」となった。
ただし、抗体の量が感染のしやすさなどに関係するかどうかは分かっておらず、ワクチンの効果が得られないということではない。
ワクチン接種の2週間前はアルコールを控えて
アルコールが好きなイメージの強いロシアでは、アルコールが免疫システムの構築を妨げてしまうため、新型コロナウイルスのワクチン接種前は、2週間ほどアルコールを避け、接種後も42日間は控えるようにと消費者庁のポポワ長官が訴えている。
日本ではここまで厳しい注意はなく、大阪市などは「ワクチン接種当日は過度の飲酒は避けてください」という表現にとどめている。
控えめな飲酒とは
新型コロナウイルスのワクチンとアルコールの因果関係ははっきりしていないが、過度の飲酒は免疫力の低下につながってしまうので避けたいところだ。
それでは控えめな飲酒とはどの程度なのだろうか。
New York Timesによると、1日の目安は男性でワイン10オンス(296ml)、ビール24オンス(710ml)。女性はその半分となる。
391名を5つの呼吸器系ウイルスの感染リスクにさらしたところ、喫煙者を除く控えめな飲酒をする人々が最も風邪を発症しにくかったという調査結果もある。
副反応を避け、抗体量を増やすためにも、ワクチン接種前には飲酒量を調整したいところ。ロシア式にストイックにお酒を断つのが一番いいのかもしれないが、「お酒を飲めないストレスのほうが体に悪い!」という人は、これをきっかけに控えめな飲酒を心掛けるようにしてはいかがだろうか。(了)
(出典元)
千葉大学附属病院:「新型コロナワクチン接種者1,774名のほぼ全員で抗体価上昇」(6/3)
NHK:「ワクチン2回接種 若い女性ほど抗体量増加 千葉大学病院」(6/4)
ロイター:「ロシア、ワクチン接種で2カ月間「お酒やめて」 市民から不満も」(2020/12/10)
New York Times:「Can You Have Alcohol After the Covid Vaccine?」(4/27)
アイキャッチ:Bernt Rostad/flickr