卒業式で祖国メキシコの国旗をまとった高校生、証書授与取り消しに
学校が移民の生徒を差別しているとも取れる出来事が、アメリカ・ノースカロライナ州の高校であった。
卒業式で国旗をまとう
ノースカロライナ州アシュボロ市のアシュボロ高校に通うEver Lopezさんは、移民の子。家族は誰もまともな教育を受けておらず、高校を卒業するのは彼が初めてだった。
ところが、今月初旬に行われた卒業式で、卒業証書の授与が取り消しに。その原因は、Lopezさんがメキシコの国旗をまとって出席したからだという。
式では、卒業生が一人ずつ校長から証書を受け取る。赤・白・緑の国旗をまとったLopezさんは、その時、国旗を取るように校長から言われたそうだ。
Lopezさんはそれを拒否し、拳を振り上げながら自分の席に戻った。その様子をいとこのAdolfo Hurtadoさんが撮影し、TikTokに投稿している。
@dolfincosmetics##Racsit ##Racism ##Fyp ##americanschoolsystem ##ForyouPage ##Fy♬ original sound – Adolfo Hurtado635
その後Lopezさんとその家族は、警官を連れた校長に校舎から追い出されてしまった。その様子もTikTokに投稿され、700万回以上視聴されている。
@dolfincosmetics##Racsit ##Racism ##Fyp ##fy ##foryoupage ##americanschoolsystem♬ original sound – Adolfo Hurtado635
いとこのHurtadoさんによれば、式で全員に手渡されたのは空の証書入れ(ホルダー)だけで、証書そのものは後で渡されたそう。だが、Lopezさんだけは、証書の授与を拒否された。
「国旗は僕の血の中にあるもの」
Lopezさんは、式でメキシコ国旗をまとった理由をニュースメディアに尋ねられ、こう答えている。
「メキシコの国旗は、僕と家族にとってあらゆるものを意味するんです。なぜなら、僕たちの血の中にそれがあるからです。僕たちはそこから来ました。それを示すためなら、僕は何でもやります」
学校側は、式の翌日、公式のコメントを発表した。それによると、証書が授与されなかった理由はメキシコ国旗でなく、服装規定(ドレスコード)違反だとのこと。決められた服装でなかったため、「式典の厳粛さと重要性を損なった」という。
だが、Lopezさんの母親であるMargaritaさんは、この説明に納得しておらず「私にしてみれば、これは人種差別です。息子に対してだけでなく、ヒスパニック系コミュニティ全体に対する差別です」とメディアに話している。(了)
出典元:Metro:Student denied high school diploma for wearing Mexican flag at graduation(6/7)
出典元:The New York Times:Student Is Denied High School Diploma for Wearing Mexican Flag(6/6)