R・ブランソン氏が宇宙へ、バージン有人宇宙船で高度86kmに到達
「バージン・グループ」の創業者であるリチャード・ブランソン氏が、自らの会社が手掛けた宇宙船に乗り、テスト飛行を成功させた。
上空で宇宙船を切り離し宇宙へ
イギリスの宇宙旅行会社「バージン・ギャラクティック」のスペース・プレーンは、7月11日早朝にアメリカのニューメキシコ州にある商業用宇宙港「スペースポート・アメリカ」を離陸した。
このスペース・プレーンは母機となる「VMS Eve(ホワイトナイツ)」と、ブランソン氏が乗り込んだ宇宙船「VSS Unity(スペースシップ2の2号機:Unity22)」からなる。
Take-off! The #Unity22 crew including @RichardBranson leave Spaceport America, New Mexico for #VirginGalactic’s first fully-crewed spaceflight. pic.twitter.com/RxGYp90nu8
— Virgin Galactic (@virgingalactic) July 11, 2021
やがて「VMS Eve」は約1万5000mの高度に到達。「VSS Unity」を切り離した。
「VSS Unity」は僅かに高度を下げるも、ロケット・エンジンを点火し、さらに上昇。高度約86kmの宇宙空間に到達し、ブランソン氏や他のクルーも4分間の無重力状態と、地球の景色を楽しんだという。(高度については80km以上と伝えているメディアもある)
"To all you kids down there…" – @RichardBranson's message from zero gravity. #Unity22
Watch the livestream: https://t.co/5UalYT7Hjb pic.twitter.com/lYXHNsDQcU
— Virgin Galactic (@virgingalactic) July 11, 2021
その後、「VSS Unity」は再び大気圏に再突入し、ゆっくりと降下。無事にニューメキシコにある宇宙港への着陸にも成功した。
この時の様子は「バージン・ギャラクティック」のツイッターでも投稿され、離陸から宇宙空間到着までの様子は、YouTubeでもライブ中継された。下の動画で、「VSS Unity」が母機から切り離される時間は、54分9秒ごろ
商業飛行まで2回テストを予定
ブランソン氏は、17年以上も前に「バージン・ギャラクティック」社を設立してから、自分自身が宇宙へ行くことを目標にしていたという。
この宇宙旅行の商業飛行は2022年に本格的に稼働される予定だが、それまでに2回、フライト・テストが予定されているそうだ。
ブランソン氏は、その時にも「定期的に」有料のフライトを提供することを考えている。
このため今回、ブランソン氏が乗り込んだフライトで事故が起きずに安全だったことは、今後宇宙旅行を望む潜在的な顧客にとっても、重要な鍵だったと言われている。
今回の飛行は、ブランソン氏が71歳の誕生日を迎える1週間前に行われ、母機となる「VMS Eve」は、彼の亡くなった母親であるEvette Branson.さんの名前に因んで付けられたという。
宇宙空間に到達したブランソン氏は、「VSS Unity」の中で子供たちに向かって「私は子どもの頃、星を見上げて夢を抱いた。大人になった今、宇宙船に乗って、美しい地球を見下ろしている。夢見る次の世代の人々へ、私たちにこんなことができるなら、君たちには何ができるか、想像してみてほしい」と語りかけた。(了)
出典元:METRO:Sir Richard Branson successfully flies to space with Virgin Galactic(7/11)