アフガンで反タリバン勢力が結集、SASに訓練された部隊も参加か
アフガニスタンで、タリバンに対抗する武装勢力が結集していると、複数のメディアが報じている。
反タリバンの武装勢力
ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、カブールの北東にあるパンジシール峡谷で、タリバンに対抗しようとする武装勢力が結集しつつあると認めた。
その勢力の中には、イギリス陸軍の特殊部隊SASによって訓練された部隊も含まれているという。
またロシア政府の高官も8月19日、それらの勢力が、アフガニスタンのAmrullah Saleh副大統領と、北部同盟のアフマド・シャー・マスード司令官(元国防相)の息子であるアフマド・マスード氏によって率いられていると認めた。
#Afghanistan: Tens of thousands of Afgan Army Troopers reaching Panjshir to join resistance against Talban under Amrullah Saleh and Masood #NorthernAlliance pic.twitter.com/oWKfgLx1Il
— Megh Updates 🚨™ (@MeghUpdates) August 20, 2021
「タリバンは全土を支配下に置いていない」
ロシアのラブロフ外相は、記者会見で、次のように語っている。
「タリバンは、アフガニスタン全土をコントロールに置いていない。アフガニスタンの副大統領サレハ氏とアフマド・マスード氏の抵抗勢力が集中しているパンジシール峡谷の状況が報告されている」
その一方で、同外相は、新しい政府の形成に向けて、アフガニスタンのすべての政治指導者が参加する、包括的な対話を行うことを改めて呼びかけたという。
「パンジシールの獅子」
パンジシール峡谷はカブールの北東に位置し、反タリバン勢力の最後の拠点になっていると見られ、山に囲まれた天然の要塞として知られているという。
またマスード司令官(元国防相)は、1980年代にソビエトがアフガンに侵攻した時、武装ゲリラのムジャヒディンを率いて戦ったという。そしてパンジシール渓谷でソ連軍を打ち破ったことで「パンジシールの獅子」とまで呼ばれ、国民の英雄となった。
国防相に就任後は、勢力を強めてきたタリバンに対抗。しかし2001年の同時多発テロの前に、自爆テロの攻撃に遭い、死亡した。
国軍の兵士や特殊部隊の隊員も合流を目指す
その息子であるアフマド・マスード氏は先日、「私は父親の足跡を継ぐ準備はできている」「ムジャヒディンの戦士らと共に、タリバンと再び戦う準備をしている」と述べ、パンジシール渓谷に軍を集結させたことを明らかにした。
#Now: Ahmad Masoud in #Panjshir valley with his patriots urging Afghans to join him for the freedom of their country. @ahmadmassoud01 is the son of the legendary national hero of #Afghanistan — Ahmad Shah Massoud.
Exclusive: @risetopeace pic.twitter.com/weflh2d3nA— Ahmad Shah Mohibi (@ahmadsmohibi) August 17, 2021
また現在、タリバンに追われている国軍の兵士や特殊部隊員など数千人の戦闘員、さらに戦闘に参加したいと望む地元の人々も、武装勢力に合流するためパンジシール渓谷に向かっているという。
武装勢力のある関係者は次のように語っている。
「これは普通の抵抗ではない。過去20年間のテロリストとの戦いで優れた経験を持ち、土地の隅々まで熟知している訓練された何千人もの部隊の抵抗である。私はタリバンを破壊する前に死ぬつもりはありません。我々は最後の一発まで戦います」
マスード氏は、このままなら「アフガンはテロの温床になるだろう」と警鐘を鳴らし、同時に武器や弾薬が不十分だとして、アメリカなどに支援を求めている。(了)
出典元:MailOnline:‘The Taliban doesn’t control the whole country’: SAS-trained Afghan commandos join armed guerrilla resistance movement led by deposed Vice-President Saleh in Panjshir Valley(8/19)