幻の動物「タスマニア・タイガー」が4Kのカラー映像で蘇る
オーストラリアのタスマニア島に生息していた「タスマニア・タイガー」の貴重な映像が、カラーで蘇り、YouTubeで公開されている。
動物園の檻を歩いている映像
その動画が撮影されたのは今から約100年前、場所はオーストラリアの街、ホバートにあるBeaumaris動物園とされている。
動画には、今は絶滅したと考えられている「タスマニア・タイガー」が檻の中を歩いている様子が映っていた。
そして今回、オーストラリアの「国立映画音声アーカイブ(NFSA)」が新しいカラー・バージョンを作り、その映像を9月6日に、YouTube上で公開した。
4Kの画像に変換され、カラー化も行われる
この映像を最初に撮影したのは、オーストラリア人のナチュラリストであるDavid Fleay氏。彼は1933年12月に35ミリのフィルムを使って撮影したという。
その後、フィルムとネガは「NFSA」内で所蔵されたが、今回ネガを高画質の4K解像度でスキャン。パリのComposite Films社で映画プロデューサーとして働く、Samuel François-Steininger氏の監修のもとで、カラー化が行われた。
Composite Films社の専門家によれば、新しい色が正確であることを確認するために、博物館に保存されているタスマニア・タイガーの皮を参照し、科学的な説明書を読み、イラストや絵画を確認したという。
またデジタルツールと人工知能アルゴリズムを使って、ネガの各フレームに色をシームレスに統合したが、今回の映像に仕上げるためには200時間以上の作業が必要だったと語っている。
大人の体重は30kg、長さは195cm
「タスマニア・タイガー」または「タスマニア・ウルフ」は、実はトラでもオオカミでもなく、世界でもっとも大きな肉食の有袋類だと考えられているという。
すでに絶滅しているが、成体では体重が30kg。鼻先から尻尾の先端までの長さは195cmもあったと考えられている。
「タスマニア・タイガー」はかつて、オーストラリア大陸中に生息していたが、約2000年前までには、タスマニア島だけでしか目撃されなくなってしまう。
また18世紀後半に、ヨーロッパ人が植民地化で渡ってきた時には、5000頭が生息していたと見られている。しかしその後、1986年に正式に絶滅が確認されたという。(了)
出典元:Livescience:Stunning colorized footage provides a glimpse of the last known Tasmanian tiger(9/10)