南スーダンで謎の病気が蔓延し89人が死亡、WHOが調査に乗り出す
アフリカの南スーダンで、洪水の後に謎の病気が広がり、多くの死者が出ているという。
洪水で大きな被害を受けた地域
その病気が蔓延しているのは、南スーダンのジョングレイ州の街、ファンガクとされている。
世界保健機関(WHO)によれば、この地域では、確認されていない病気で約100人が死亡しており、現在調査しているという。
また南スーダンの保健相は、ファンガクは最近の洪水で最も大きな被害を受けた地域の1つであり、未知の病気で数十人が死亡したと報告しているそうだ。
WHOが確認した死者数は89人
地元の保健当局によれば、この地域で採取された最初のサンプルはすでに検査が行われたが、結果は「コレラ」に対して陰性だったという。
WHOのSheila Baya氏は、BBCに対して、次のように述べている。
「我々は、リスク評価と調査を行うために、迅速対応チームを派遣することを決定しました。その時に、患者からサンプルを採取することができるでしょう。しかし私たちが得た死者数は、暫定的だが、89人でした」
またBaya氏によれば、ファンガク地域へは洪水により陸路で行くことができないため、派遣チームは12月15日時点で、首都ジュバに戻るヘリコプターを待っているところだという。
過去最悪の洪水被害
南スーダンのこの地区における洪水被害は深刻で、現時点で約20万人以上が避難を余儀なくされているという。実際に人道支援機関の「Concern Worldwide」は、過去60年間で最悪の被害だと述べている。
「Concern Worldwide」のShumon Sengupta氏も、次のように語っている。
「今年の洪水の規模は計り知れません。ユニティ州では地元住民の4分の1以上にあたる20万人以上が、増水により自宅からの退去を余儀なくされています。(略)国内避難民キャンプ内外で、現在の人道支援の規模をはるかに超えるニーズが発生しています。家族は避難し、高台や公共の建物、隣人や家族のもとに身を寄せています。診療所が被害を受けたり、洪水で水没したり、アクセス不能になったりしているため、保健・栄養支援を含む基本的なサービスへのアクセスに支障をきたしています」(了)
出典元:BBC:WHO probing mysterious deaths in northern South Sudan(12/14)
出典元:Newsweek:Nearly 100 Killed by Mystery Illness as WHO Investigates(12/14)