カザフスタンの反政府デモで164人が死亡、6000人のデモ参加者を逮捕
カザフスタンでは大規模な反政府デモが続いているが、先日多くの人が死亡したと発表された。
約6000人のデモ参加者を逮捕
保健当局の発表によれば、反政府デモにおいて、少なくとも164人が死亡したという。
またカザフスタンの大統領府は1月9日、約6000人のデモ参加者を逮捕し、そこには「相当数」の外国籍の人間も含まれていると発表した。
すでに7日には43人が死亡しており、今回さらに死者が増えたことになる。(タス通信などは7日に26人が死亡と伝えている。下の動画は1月7日に投稿されたもの)
#Kazakhstan This is the centre of Almaty this afternoon: explosions and incessant shooting. The Interior Ministry said that people who will continue armed resistance will be “destroyed.” Dialogue should start to avoid new victims. Instead, Tokayev asked for external interference pic.twitter.com/VG0suPNIBA
— Hanna Liubakova (@HannaLiubakova) January 6, 2022
大統領が「警告なしの発砲」を指示
今回の反政府デモは、燃料価格の上昇に端を発したものだったが、今も大きな影響力を保持しているヌルスルタン・ナザルバエフ前大統領に対する不満を反映し、その後全国に拡大していったという。
そして主要都市であるアルマトイでは、デモ隊が市内の警察署を制圧しようと試みたそうだ。
これに対しカシムジョマルト・トカエフ大統領は、「2万人の盗賊」がアルマトイを襲撃したと述べ、治安部隊に「警告なしに発砲」するよう指示。
このため治安部隊は、アルマトイで秩序を回復しようとしてデモ参加者を殺害、103人の死者が出たと伝えられている。
#Kazakhstan Armed security forces are in Almaty. There are also armoured personnel carriers, armoured vehicles, and military trucks. Local police reported that dozens of protesters had been killed. pic.twitter.com/h1vzkKdmjV
— Hanna Liubakova (@HannaLiubakova) January 6, 2022
アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は1月9日、トカエフ大統領の指示を批判。ABCニュースの番組において「射殺命令は、それが存在する限り、間違っており、取り消すべきだ」と述べたという。
実はエリート内の権力闘争か?
また先週には、カザフスタン政府が秩序を回復しようと、他国に軍の派遣を要請。ロシアを含む国々から軍隊が派遣されたそうだ。
カザフスタンの大統領府は、これらの部隊が「掃討」作戦と「戦略的施設」の警備を継続しており、状況は安定したと述べている。
BBCの特派員は、今回の情勢について、カザフスタンの支配的エリート内の権力闘争に関連しているとの見方が強まっている、と伝えている。
1月8日、カザフスタンの当局は、前諜報部長のカリム・マシモフ氏を反逆の疑いで逮捕したと発表。しかしそれ以上の詳細は明らかにされていない。
また大統領府は1月9日、マシモフ氏の元副官2人も解任されたと発表している。(了)
出典元:BBC:Kazakhstan unrest: At least 164 killed in crackdown on protests, reports say(1/9)