カンボジアで地雷除去に貢献したヒーロー・ネズミ死す
カンボジアで、数多くの地雷や爆発物の除去に貢献したネズミが、先日死んだ。8歳だった。
2020年には金メダルも受賞
そのネズミの名前はアフリカオニネズミという種類の「Magawa」だ。
「Magawa」は最も成功した地雷探査のスキルを持つネズミで、これまでカンボジアで100個以上の地雷や爆発物を発見してきたという。(別の記事では約70個の地雷などを発見したと紹介されている)
このため「ヒーロー・ネズミ」とも呼ばれ、2020年にはイギリスの慈善団体「PDSA(People’s Dispensary for Sick Animals)」から、最も活躍した動物として金メダルが贈られた。
しかし今週、8歳の誕生日を迎えたばかりの「Magawa」は、安らかに息を引き取ったそうだ。
タンザニアでトレーニングを受ける
「Magawa」はタンザニアを拠点にする非営利団体「APOPO」で育てられ、そこで地雷や不発弾を見つけるトレーニングを受けたという。
その後、カンボジアに送られ、臭いをかいで数多くの地雷などを見つけ、除去作業に貢献してきたそうだ。
そして4年間、人間のために働き続け、昨年引退していた。
体重が軽く、地雷に触れても爆発しない
アフリカオニネズミという種類は他のネズミよりは体が大きいが、体重は地雷に触れて爆発するほど重くはないため、爆発物などが埋まっている場所を歩くことができたという。
また「APOPO」は、59カ国で6000万人が地雷除去の影響を受けている現在、「Magawa」のような動物を訓練することで、過去の紛争地域から地雷を除去する数十年にわたる戦いの効率を改善し、コストを削減できると述べている。
また「APOPO」はウェブサイトで「全員がMagawaが失われた(悲しみ)を感じており、彼が行ってきた素晴らしい仕事に感謝している」とコメントした。
「Magawa」の貢献により、現在カンボジアにあるその地域では、生命や手足を失う心配なく人々が生活し、働き、遊ぶことができるという。
以前、当サイトでも「Magawa」のことを記事にしており、驚異的な能力を紹介している。そちらの記事も是非、ご覧いただきたい。(了)
※下の動画では6分30秒頃から「Magawa」が紹介されている。
出典元:ABC News:Magawa, a rat recognized as a hero for detecting landmines, dead at 8(1/12)