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ロシア国営テレビで元大佐が異例の発言、「状況はさらに悪化するだろう」

ロシア国営テレビで元大佐が異例の発言、「状況はさらに悪化するだろう」
Twitter/Steve Rosenberg
ロシア国営テレビの討論番組で、ある人物がウクライナでの戦争について、政府とは異なる見解を示した。  

「全世界が我々に敵対している」

  その人物とは、元大佐で軍事アナリストのMikhail Khodarenok氏だ。   彼は5月16日、国営テレビの「60 Minutes」の番組にゲストとして出演。ウクライナでの戦況について、「ウクライナが西側から追加の軍事支援を受けると、(ロシアにとっての)状況は明らかに悪化する」と主張。   また「ウクライナ軍は100万人を武装させることができる」と述べ、「祖国を守りたいという気持ちは非常に強い。戦場での究極の勝利は、覚悟を決めた思想のために血を流す兵士たちの高い士気によって決まる」と語った。   さらに「(ロシアの)軍事的・政治的状況の最大の問題は、政治的に完全に孤立していることであり、たとえ認めたくなくても、全世界が我々に敵対していることだ。この状況を解決する必要がある」と述べたという。   この発言に対し、他のゲストは黙っており、常にロシア政府を擁護し続けてきた番組の司会者・オルガ・スカベーエワ氏も多少反発はしたが、最終的には反論できなかったようだ。  

以前から戦争には批判的な人物

  Khodarenok氏は以前、ロシア軍がウクライナを攻撃する前、『Independent Military Review』紙において、「熱狂的なタカ派」を批判。「ウクライナとの武力衝突はロシアの国益に適わない」と主張していたという。   しかし紙面で主張するのと、国営放送のテレビで主張するのとは、次元が異なる。このためロシア政府も、戦争に批判的な独立系メディアを閉鎖させたほどだ   しかもロシア政府はウクライナでの戦争を「特別軍事作戦」と呼び、未だに、ロシア軍の攻撃が計画通りに進んでいると報道し続けている。そんな中、Khodarenok氏はテレビ番組で、現実的な状況分析を行った。   もっともここ最近、ロシアのテレビでも戦争に批判的な意見が出るようになったという。   またすでに3月には、別の人気トーク番組で、あるロシア人映画監督が司会者に「ウクライナにおける戦争は恐ろしい状況を描き、私たちの社会に非常に抑圧的な影響を及ぼしている」とも語っていたそうだ。  

「否定的な発言」は突発的なもの?

  通常、テレビでの発言はある程度前もって決められており、どのゲストを呼ぶのか、という段階で、すでに放送内容が考えられているものだ。   しかし今回の放送における、「特別軍事作戦」についての「否定的な発言」が突発的なものだったのか?あるいはロシア国民に現実を直視させる準備のために、あらかじめ計画された放送だったのか?   BBCの記事では、それを決めるのは難しいとしながらも、「ロシアのテレビにチャンネルを合わせ、今後のシグナルを見逃さないようにしよう」と締めくくっている。(了)   出典元:BBC:Retired colonel speaks out on Russian TV(5/17)

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