異常気象が続くアメリカで、人々が気候変動への認識を変えつつある
アメリカでは異常気象が続き、気候変動に対する人々の意識が変わりつつあるという。
78%が異常気象を経験
この調査を行ったのは、NPR、ロバート・ウッド・ジョンソン財団、ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院などだ。
彼らは今年初めに、2600人以上のアメリカ人に対して、世論調査を行ったという。
6月21日に発表された結果によれば、アメリカの成人の大多数は近年、個人的に異常気象の影響を受けたと回答していたそうだ。
実際に調査では、78%が過去5年間に熱波、凍てつく寒さ、ハリケーン、大洪水、山火事などの深刻な出来事を経験したと回答していたという。
深刻な健康被害の報告も
※下の部分が誤訳であることが判明しました。
「この「78%」の内訳は、アメリカ先住民が51%、ラテン系が31%、アジア系が30%、黒人系が29%、白人系が18%となっている」
正しくは下になります。訂正してお詫び申し上げます。
これら(78%)のグループのうち、24%が極端な気候により深刻な健康問題を抱えていると報告しており、ネイティブ・アメリカンのうち51%、ラテン系のうち31%、アジア系のうち30%、黒人のうち29%、白人のうち18%が、健康問題を報告しているという。
(また個人的に異常気象の影響を受けたと答えた人のうち24%が、深刻な健康障害を経験したと報告しているそうだ)
健康被害については、例えば暑さにより病原体を運ぶ生物の生態ゾーンが変化し、やがて人々に感染させて広がったり、また喘息患者にとっては空気の質が低下し、生活環境を悪化させたりしているという。
歴史的に全く異なる気象現象
また西部では、干ばつと酷暑に見舞われ、実際にテキサス州では「信じられない」暑さになっており、メキシコ湾岸と東海岸では、ハリケーンの脅威が増しているそうだ。
しかもこれらの地域では、すべて歴史的なパターンとは全く異なる気象現象に見舞われているという。
ロバート・ウッド・ジョンソン財団の疫学者であるアロンゾ・プラウ氏は、「現在起きている健康への影響は直接的であり、さらに悪化している」とし、次のように述べている。
「(この調査では)有色人種や低所得のコミュニティ、農村部の住民が、異常気象や気候変動の悪影響を初めて、しかも最悪に感じていることが分かりました。現在起きている健康への影響は直接的であり、さらに悪化しています。国内のさまざまな地域で、アメリカ人の多くの割合が、気候変動や異常気象と自分たちの健康や幸福との関係について理解し始めているという事実は、非常に重要な変化です」
また、近年異常気象を経験した世帯のうち、37%がアメリカの気候変動を 「危機 」と見なし、40%が 「大きな問題 」と見なすようになったと回答しているという。(了)
出典元:ABC News:78% of adults in US report being affected by severe weather caused by climate change: Report(6/21)