ロシア軍に支配されたメリトポリで庁舎が爆発、ザポリージャ原発では一時送電が切断
ロシア軍が支配するウクライナ南部の都市、メリトポリ近郊で、ビルが爆破されたと伝えられている。
住民投票を行う準備をしていた
メリトポリ市のイワン・フェドロフ市長によれば25日の夜、プリャゾフスケ村にあるロシア占領軍の本部の建物が爆発したという。
爆破されたビルは、ロシア側が任命した市の当局者が使っていたもので、同地域がロシアに帰属するかどうかの、住民投票を行う準備をしていたそうだ。
またこの建物では、住民に対しロシアのパスポートを発行していたが、フェドロフ市長は、正確な数はわからないが、ロシアのパスポート申請をした人はごくわずかだと主張している。
ロシアによる駅への攻撃で25人が死亡
一方、ウクライナ中部、ザポリージャ州の北に位置するドニプロペトロウシク州では、先日ロシア軍によるロケット攻撃が行われ、多数の死傷者を出した。
8月24日、ドニプロペトロウシク州のチャプリネ村では、ロシア軍により駅が攻撃され、これまでに少なくとも25人の死亡が確認されたという。
死亡した人の中には2人の子供も含まれていたそうだ。
プーチン氏が軍拡大の大統領令に署名
ロシアのプーチン大統領は25日、ウクライナでの戦争が7カ月目に突入しても収まる気配がないため、ロシア軍の規模(定員)を190万人から204万人に拡大する大統領令に署名した。
これまでもロシア軍は兵が不足していると言われていたが、プーチン大統領は国内に総動員令をかけることを避けてきた。
今回の兵力増員の命令は来年の1月1日に施行され、これにより戦闘要員は13万7000人増えて、115万人になるそうだ。
前回、ロシアが軍の規模を拡大させたのは2017年。この時は1万3698人の軍人と5357人の非戦闘員が追加されたと言われている。
ザポリージャ原発に供給する送電線が復旧
またウクライナ南部にあるザポリージャ原発では、操業開始から40年で初めて、ウクライナの全国電力網から切り離されてしまった。
ウクライナの原子力事業者である「Energoatom」は25日、発電所と送電網をつなぐ最後の送電線が、近くの石炭火力発電所の火災によって2回切断されたと明らかにした。
電力網から原発が切り離されると、電気で動く原子炉や使用済み燃料棒の冷却システムが壊滅的な打撃を受ける危険性があるという。
しかしその後、国連核監視団は、ザポリージャ原子力発電所に電力を供給する最後の送電線が復旧したと発表した。
ラトビアでソ連の記念碑を解体
バルト3国の1つ、ラトビアの首都リガでは先日、ソ連時代に建てられた記念碑が解体された。
この記念碑は高さが80m、ソ連がナチスドイツに勝利したことを記念して1985年に建てられたものだという。
video of the moment when Latvian officials brought down the Soviet-era memorial to the Red Army, in the capital Riga. pic.twitter.com/1lfibk91Hs
— Mike Eckel (@Mike_Eckel) August 25, 2022
またラトビアにはロシア系住民もおり、この記念碑の前ではウクライナとの戦争でロシアを支持する集会も開かれていたそうだ。
このため今回も、解体を取りやめるようロシア系住民の抗議が行われたようだが、ラトビア議会は11月中旬までに残りのすべてのソ連に関連する記念碑などを撤去する予定だとしている。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war: Zaporizhzhia nuclear plant temporarily disconnected from grid; death toll from Russian strike on rail station rises to 25 – as it happened(8/25)