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実験で1500匹の動物を殺した?米当局がマスク氏の「ニューラリンク社」を調査

実験で1500匹の動物を殺した?米当局がマスク氏の「ニューラリンク社」を調査
flickr_Nick Saltmarsh

イーロン・マスク氏が創設した「ニューラリンク社」が、動物愛護違反の疑いで、アメリカ政府機関の調査を受けている。

 

「脳チップ」を開発し、動物で実験

 

「ニューラリンク社」はワイヤレスの「脳チップ」を開発しており、それを人間の脳に埋め込み、思考だけでコンピュータの操作を可能にすることを目指してきたという。

 

そして人間で臨床試験を行う前に、さまざまな動物で実験を繰り返してきた。

 

ロイター通信の調査によれば、「ニューラリンク社」はこれまでに280匹以上の羊、豚、猿を含む、約1500匹の動物を殺してきたという。

 

ただし「ニューラリンク社」は殺した動物の数を記録していないため、正確な数は明らかになっていない。

 

そしてアメリカ農務省(USDA)はここ数カ月間、研究者による動物の扱いや実験方法を定めている動物福祉法(Animal Welfare Act)に違反していないか、同社への調査を行ってきたそうだ。

 

社員から不満が出ていた

 

アメリカの規則では、企業が研究に使用できる動物の数を規定しておらず、いつ、どのように動物を実験に使用するかについて、科学者に大きな自由裁量を与えてきた。

 

しかし「ニューラリンク社」に関しては、動物実験を急がされ、不必要な苦痛や死を招いていると、社内のスタッフが不満を漏らしていたという。

 

実際、ロイター通信がニューラリンク社の文書や20人以上の現・元社員に取材したところ、開発を急がせるマスク氏の圧力で実験が失敗に終わったという苦情もあったとか。

 

今回の農務省による調査は、動物実験に対する社員の不満が高まっていた中で、実施されたと考えられている。

 

準備をすれば死は避けられたはず…

 

今年の2月、動物愛護団体は、「ニューラリンク社」がサルの脳を「切断」していると非難。

 

2021年には、試験対象の豚60頭中25頭に対し、頭のサイズに合わない装置が埋め込まれて死につながったケースがあるという。

 

これらのミスはきちんと準備をすれば避けられたはずだ、と考えられている。

 

このような背景には、マスク氏の焦りがあると考えられ、実際に「ニューラリンク社」はヒトでの臨床試験を開始するために、規制当局の承認を得る期限を何度も逃してきたそうだ。(了)

 

出典元:METRO:Musk’s Neuralink investigated over killing 1,500 animals in botched tests(12/6)

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