ロシア軍がソレダールの町の大部分を制圧か、英国防省が発表
ウクライナ東部のドネツク州にある町、ソレダールの大部分がロシア軍によって制圧された可能性が高いとの見方を、イギリス国防省が示した。
「ワグネル」が前進を遂げる
イギリス国防省によると、ロシア軍と民間軍事会社「ワグネル」の傭兵らは、この4日間で戦術的な前進を遂げたという。
その上で日々の更新される情報においてイギリス国防省は、ロシア軍と「ワグネル」が「ソレダールの大部分を制圧している可能性が高い」と発表した。
これは北からバフムトを包囲し、通信網を混乱させるための試みと見られるが、ウクライナ軍は安定した防衛線を深く維持し、補給路を支配しているため、「ロシア軍が直ちにバフムトを包囲する可能性は低い」との見方も示している。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、バフムトとソレダールは広範囲な破壊にもかかわらず、持ちこたえていると主張。しかし同時に、ソレダールでの戦いでは、建物の壁が全く残っておらず、土地はロシア人の死体で覆われていると述べたという。下は、1月8日にウクライナ国防省が投稿した写真。場所は不明。
Never before has the russian diplomatic corps suffered such losses. pic.twitter.com/SNrR7Kg8vo
— Defense of Ukraine (@DefenceU) January 7, 2023
戦車がなければ奪還できない
一方、西側の政府関係者(名前は明らかにしていない)は1月10日、ロシア軍とウクライナ軍は現在、あまりにも密接に対峙しているため、ウクライナ側が大規模な攻勢をかけることはできないとの見方を示した。
またウクライナ側は戦車や装甲車などの軍事力を高めなければ、ロシアから相当量の領土を奪還することはできないと警告したという。
その上で「ウクライナ側が戦車300台を要求していることは、攻撃に必要な戦力を確保する上で、不合理な数字ではない」とも述べたそうだ。
ドイツ外相がウクライナを訪問
しかしイギリス政府も、まだウクライナへ戦車「チャレンジャー2」の供与を決断できておらず、ドイツも「レオパルド2」の供与を否定している。
そんな中、ドイツのアナレーナ・ベアボック外相は10日、ウクライナ北東部のハルキウ州を電撃訪問。ウクライナのドミトロ・クレバ外相と会談した。
Today, @ABaerbock and I visited wartime Kharkiv where Russia caused enormous suffering. Kharkiv is now a symbol of successful Ukrainian counteroffensives which prove Ukraine will win with sufficient support of partners. I have no doubts further German military aid will come. pic.twitter.com/iCErESAW2J
— Dmytro Kuleba (@DmytroKuleba) January 10, 2023
ベアボック外相は、ウクライナに「マルダー」歩兵戦闘車と、パトリオット防空システムを提供すると発表。「さらなるドイツの軍事支援が来ることに疑いはない」と述べたという。
ベアボック外相は、「レオパルド2」の供与を否定する政府内において、「ウクライナは重火器(戦車)を必要としている」と訴えていた。(了)
出典元:The Guardian:Family of Briton missing in Ukraine ‘very worried’; German foreign minister pledges more weapons – as it happened(1/10)