「ワグネル」のトップが露国防省を批判、傭兵たち遺体写真を公開
ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者が、ウクライナの戦場で殺された数多くの傭兵の遺体写真を公開した。
バフムト周辺で殺された兵士の遺体か
「ワグネル」のエフゲニー・プリゴジン氏は2月22日、一枚の写真を公開した。
写真はウクライナ東部の都市、バフムト周辺で撮影されたものとみられ、そこには折り重なるように、傭兵たちの遺体が並ぶ様子が映っていた。
プリゴジン氏は、この遺体はわずか1日で殺された傭兵たちのものだと主張。さらにこの傭兵たちは、ロシア国防省が砲弾などを供給しなかったために死んだと説明した。(当サイトでは写真を掲載しない。ただ写真はツイッターにも投稿されているため、リンクは残しておく)
「司令官らを反逆罪に問うべき」
プリゴジン氏は、ここが死者を集める場所の1つだと説明しながら、「彼らの死は誰の責任なのか?十分な量の弾薬を供給することを決定すべき者たちだ」と述べたという。
その上で同氏は、ロシアのショイグ国防相と、ゲラシモフ参謀総長を直接非難。「ロシアトップの指揮官の無能さによる損失は5倍も大きい」と主張したそうだ。
さらに武器弾薬の供給に関する国防省の声明も批判。バフムトを襲撃するのに必要な軍需物資を「ワグネル」に提供しなかった司令官らを、「反逆罪」に問うべきだと述べている。
国防省、弾薬を十分に提供と主張
一方、ショイグ国防相は「突撃隊の志願兵と兵士に必要なものはすべて提供した」と主張。「武器や弾薬が足りないというプリゴジンの訴えは『全くの事実無根』だ」と述べたという。
またロシア国防省も、今週2日間で、多連装ロケット弾1660発、大口径砲と迫撃砲用弾薬1071発、戦車用弾薬980セットを提供したと明らかにしている。
その上で「突撃隊用の弾薬の要請はすべて可能な限り迅速に対応している。全部で昨年の突撃隊の弾薬要求は、受け取った要求の140パーセントが満たされた」と発表した。
ロシア正規軍と「ワグネル」に関しては、以前から両者の溝が深まっていると囁かれていたが、今回それが公になったと考えられている。(了)