ウクライナ軍がクラスター爆弾を前線に配備、すでにロシア軍に使用
アメリカから供与されたクラスター弾が、すでにウクライナ軍によって実践配備されているという。
ウクライナ軍がクラスター弾を使用
アメリカ・ホワイトハウスのジョン・カービー国家安全保障報道官は7月20日、自国が供与したクラスター弾がウクライナの元へ届き、すでに実戦配備されていることを確認したと述べた。
またニューヨーク・タイムズ紙とワシントン・ポスト紙も20日、ウクライナ南東部の最前線にいるロシア軍が、クラスター弾による攻撃を受けていると報じた。
クラスター弾は不発弾として残りやすく、後に一般市民が被害を受けるため、現在も100カ国で使用が禁止されている。
しかしウクライナのオレクサンドル・バクーリン大佐は今週初め、すでに紛争でロシア軍もクラスター弾を使用しているとし、「この武器は、敵の歩兵に最大のダメージを与えるために必要なものだ」と述べていた。
オデーサの中国領事館も被害
ロシア軍は3日連続でウクライナ南部の港湾都市、オデーサをミサイルやドローンなどで攻撃し続けているが、その際中国領事館の建物も被害を受けたという。
中国外務省の報道官も「爆発はオデーサにある中国領事館の隣で起きた。爆風は壁の一部と窓ガラスに衝撃を与えた。領事館の職員はかなり前に退去しており、ケガ人はいなかった」と述べている。
オデーサ州の知事も「ロシアの侵略者は意図的に港のインフラを攻撃している。行政施設や住宅、中華人民共和国の領事館が被害を受けた。これは、敵が何にも注意を払っていないことを示唆している」と語っている。
またこのロシア軍による攻撃で、少なくとも3人が死亡。オデーサでは子供を含む少なくとも8人が負傷したという。
ウクライナ軍は、ロシア軍が一晩でミサイル19発と無人機19機を発射し、ミサイル5発と無人機13機を撃墜したと報告している。
IAEAの査察団が原子炉の屋根に入れず
ウクライナ南部のザポリージャ原発では、国連原子力監視団の調査が行われているが、ロシア軍はいまだに原子炉の屋上に立ち入らせていないという。国際原子力機関(IAEA)は次のように述べている。
「IAEAの専門家は、この1週間、ウクライナのザポリージャ原子力発電所で追加検査と評価を行ったが、重装備、爆発物、地雷は確認されなかった。しかし監視団は、原子炉建屋の屋根へ入れるようになることを、いまだに待ち続けている」
今月初め、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア軍が原発の屋根に爆発物を設置し、核災害を引き起こそうと計画していると、警告していた。
また先日、ロシアは黒海での穀物輸送の安全協定から離脱を表明したが、すでにその影響が出ており、世界市場では小麦の価格が上昇しているという。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war: US cluster bombs being used by Kyiv against Russia, White House confirms – as it happened(7/20)