ウクライナ軍が南部でロシアの第1防衛線を突破、第2防衛線に迫る
ウクライナ軍が、南部のザポリージャ州において、ロシア軍の第1防衛線を突破したと報じられている。
ウクライナ軍高官が「突破」を認める
ウクライナ軍は先日、南部のザポリージャ州にある町、ロボチネをロシア軍から奪還し、さらに南にある集落、ノヴォプロコピフカへも進軍していると明らかにした。
またアメリカ国家安全保障会議のジョン・カービー報道官も先週末、ウクライナ軍に「72時間の間で、目覚ましい進展があった」との見方を示した。
さらにウクライナ軍のオレクサンドル・タルナフスキー准将は、メディアでのインタビューにおいて、ロシアの第1防衛線を突破したと明らかにした。
「第1防衛線と第2防衛線の間にいる」
タルナフスキー准将は、ロシア軍が第1防衛線の構築に時間と資源の60%を割き、第2、第3防衛線にはそれぞれ20%しか割かなかったと推定。というのも、ロシア軍はウクライナ軍が、その第1防衛線を突破できないと考えていたからだ。
その上で、タルナフスキー准将は次のように語っている。
「我々は今、第1防衛線と第2防衛線の間にいる。ウクライナ軍は現在、突破口の両側に押し出し、最近の戦闘で奪った領土を固めつつある。攻撃の中心としては、ロシア軍が第2防衛線の後ろに退却するための援護部隊の壊滅を完了しつつある」
これまで広大な地雷原が、数週間にわたりウクライナ軍をとらえ続け、工兵部隊が徒歩でゆっくりと攻撃ルートを確保。第1防衛線の背後にいたロシア軍は、砲撃や無人機などで、工兵部隊の車両を攻撃し続けてきたという。
しかしウクライナ軍はその防衛線を突破し、戦車や装甲車が送り込まれているため、ロシア軍は南部のへルソンや、北部のライマン、国内にいる部隊を、ザポリージャ方面に再配置しているそうだ。
へルソン市を短期間で解放した指揮官
タルナフスキー准将は昨年9月、ウクライナ南部のへルソン州を解放する部隊の指揮官に任じられ、その2か月後、州の中心部であるヘルソン市をロシア軍から奪還した。
今年の6月から始まった反攻作戦では、ウクライナ軍はザポリージャ州を南下し、へルソン州やクリミア半島に残るロシア軍と、東部の部隊を切り離し、補給線を断つ作戦を行ってきた。
当初はへルソン市の解放のように、急速な進展が期待されたが、第1防衛線に広がる地雷原によって、ウクライナ軍は進軍を妨げられてきたという。(了)
出典元:The Guardian:‘Everything is ahead of us’: Ukraine breaks Russian stronghold’s first line of defence(9/2)