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黒人の少女だけにメダルを授与しない…体操競技での動画に世界中から非難の声

黒人の少女だけにメダルを授与しない…体操競技での動画に世界中から非難の声
X_Mohamad Safa

アイルランドで行われた体操競技のメダル授与式の動画が拡散し、多くの人から非難の声が寄せられている。

 

他の関係者もただ、見守るだけ

 

その動画が撮影されたのは、2022年3月とされ、そこにはアイルランドで開催された体操選手権の授与式の様子が映っていた。

 

授与式では、女の子の体操選手1人1人にメダルが授与されていったが、大会関係者は黒人の女の子にだけはメダルを与えず、次の女の子の首にメダルをかけていった。

 

しかも当時、カメラマンやコーチ、その他の関係者も介入することなく、ただ見守り続けた。

 

この動画は最近拡散され、大会を主催した「Gymnastics Ireland(アイルランド体操競技団体:GI)」には、非難の声が寄せられたという。

 

アメリカの体操選手も非難

 

メダルを授与していた大会関係者は、人種差別的な行為を否定しており、最終的に黒人の少女にはメダルが授与された。

 

しかしこの出来事の直後、史上最高の体操選手と言われるアメリカのシモーヌ・バイルズ選手が家族に連絡し、少女を応援するプライベート・ビデオ・メッセージを送ったという。

 

今月、このビデオ・メッセージが再び拡散され、バイルズ選手は少女への支援と、GIの対応を非難するメッセージを公にしたそうだ。

 

大会関係者の謝罪文も届けず

 

しかしその後も、新たな事実が明らかになった。実は、問題の大会関係者が数日以内に個人的な長い謝罪文を書き、少女の家族と連絡を取っていたGIの職員に送っていたが、結局その謝罪文は家族に渡されなかったという。

 

さらにGI側は、調停への出席を拒否し、体操選手の家族と1人の大会関係者との間の、純粋に個人的な争いとして事実上、葬り去った。

 

しかもGIは、事件の調査、反人種差別政策の実施、有色人種のアスリートへの保護の改善について、公的な声明でも何ら約束をせず、18カ月もの間、家族に謝罪もしなかったそうだ。

 

GI側は、この出来事を当初「会員同士の苦情」として処理し、「家族がGIからの公式謝罪を望んでいることを知ったのは、ごく最近のこと」だと主張。そして最近、理事会が家族に謝罪の手紙を送ったという。

 

しかし少女の家族は、謝罪の手紙があまりにも遅く、核心的な懸念には触れていないと主張。「GIが個人的な(大会関係者の)謝罪の手紙まで封印し、スポーツにおける構造的な人種差別を認めず、取り組むことも拒否している」と語っている。(了)

 

出典元:The Guardian:Gymnastics Ireland fails to apologise despite row over medal snub for black girl(9/24)

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