パイロット不在で大幅遅延の旅客機を、家族旅行の父親が操縦してスペインへ発つ
イギリスの空港で、いつまで経っても出発しないイージージェットの便を、家族旅行中の父親が操縦し、目的地のスペインに向かうという出来事があった。彼は休暇中のパイロットだった。
休暇中も携帯していたパイロットのID
イギリス·マンチェスターに住むMichael Bradleyさんは、その日、妻と子供を連れてマンチェスター空港に来ていた。イージージェットの便を予約してあり、目的地はスペインの人気観光都市アリカンテだった。
一家はこの旅行を楽しみにしていたのだが、チェックインの前に思わぬアナウンスがあった。出発が2時間近く遅れるという。理由は分からないが、その便に乗る他の客たちは、「パイロットがいないからだ」と噂していた。
Michaelさんも、実はイージージェットのパイロット。万一の場合、自分が飛行機を操縦することがあるかもしれないと思い、身分証を携帯していたという。そこで早速空港から会社に電話して、パイロットの代役を申し出た。
会社という組織は、とかく融通が利かないことが多い。だが、この時、イージージェット社はMichaelさんにすぐGoサインを出した。
乗客たちは大喜び
その便の出発前、普段着のMichaelさんは機長として乗客に挨拶し、自分が代役を務めることになった経緯をこう話した。
「ちょうど家族でセキュリティゲートの前まで来た時に、会社に電話する価値があるかもしれないと思ったんです。どうしてかというと、家族旅行に行きたかったからです。イージージェットに電話してこう言いました。『こんにちは、僕は今、空港ターミナルで何もしないで突っ立っているんですが、IDは持っているし、旅行にはとても行きたいし、もしそちらが助けを必要としているなら、いつでも飛べますよ』と」
会社側の反応は、というと……
「『折り返し電話します』と担当者が言ってから38秒後に電話があって、『お願いします、ぜひともお願いします、特にお礼をしますから、アリカンテ行きの便を飛ばせてもらえませんか』と言われました。だから、こんな普段着のパイロットでよければ、みんなでアリカンテに行きましょう」
彼のアナウンスが終わると、乗客たちから一斉に歓声が上がったそうだ。
この便の本来のパイロットがいなくなってしまった理由は、イージージェット社によれば、フランスで発生した航空管制システムの障害だそう。その影響で、パイロットのシフトが狂ってしまったらしい。(了)
出典元:Lad Bible:Dad decides to fly easyJet plane to Spain himself after flight delayed due to ‘missing’ pilot(11/11)