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火星にクモの巣?NASAの探査機が撮影した不思議な地形

火星にクモの巣?NASAの探査機が撮影した不思議な地形
NASA

NASAの火星探査機が以前、クモの巣のような地形を撮影しており、今後調査が進められる。

 

火星の表面にクモの巣のような模様

 

火星の周回軌道から調査・探索する「マーズ・リコネッサンス・オービター」は2006年12月、高さ5kmもあるシャープ山付近の尾根で、クモの巣のような地表を撮影したという。

 

地質学者らは、このクモの巣のようなものは、地球上の洞窟内にある「ボックスワーク」と呼ばれる、結晶化した鉱物の巨大化したものではないかと考えている。

 

アメリカ・ノースダコタ州の「ウィンド・ケイブ国立公園」内にある洞窟内にも「ボックスワーク」が存在し、これは炭酸カルシウムの鉱水が岩の割れ目に浸透し、浸食されるに従い、網状に形成されたものだという。下がノースダコタ州の洞窟にある「ボックスワーク」。

 

NASA

 

しかし火星の表面にある「ボックスワーク」は3800エーカーも広がっており。塩分を含んだ水によって浸食され、この中に古代生物の化石が残されている可能性もあるそうだ。

 

アメリカ・ライス大学のキルステン・シーバッハ博士は、次のように述べている。

 

「これらの尾根には、より温暖な地下で結晶化した鉱物が含まれます。そこには塩分を含んだ液体の水が流れていました。初期の地球の微生物は、同様の環境で生き延びていた可能性があります。だからこそ、ここは探検するのにわくわくする場所なのです」

 

「キュリオシティ」は2025年に、クモの巣状の地形に似た尾根に向かい、近くで調査する予定だという。

 

純粋な硫黄を発見

 

また「マーズ・リコネッサンス・オービター」は、シャープ山の麓にあるゲディズ渓谷付近で、黄色っぽい明るい色の岩石を発見したという。

 

しかし探査機に搭載されている高解像度のカメラでも、それらが小さすぎて、観察できなかったそうだ。

 

そこでNASAの探査ローバー「キュリオシティ」が、その岩石に接近。岩の1つを転がして押しつぶしたところ、内部に黄色い結晶があったという。

 

その後、探査ローバーの実験機器で分析したところ、それが純粋な硫黄であることが判明した。

 

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硫黄は、これまでの火星のミッションでも見られなかったもので、研究チームにも、なぜそこで硫黄が形成されたのか、分かっていないという。

 

そもそも地球では、硫黄は火山や温泉と関連しているが、シャープ山には、いずれの原因にもつながる証拠はないそうだ。(了)

 

 

出典元:NASA:NASA’s Curiosity Mars Rover Takes a Last Look at Mysterious Sulfur(11/18)

参考:MailOnline:NASA spots ‘spiderwebs’ on never-before-explored region of Mars that could be linked to aliens(11/25)

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