「ファイブ・アイズ」が崩壊か?加盟国がアメリカとの情報共有に警戒

アメリカのトランプ大統領が、ロシアとの関係修復を進める中、同盟国の諜報機関が警戒を強めているという。
情報共有について見直し
特にイギリスやオーストラリア、カナダ、ニュージーランドが参加していた諜報同盟「ファイブ・アイズ」は、アメリカとの情報共有について、見直しを進めているという。
またイスラエルやサウジアラビアなども、どの情報をアメリカと共有するかについて、ますます警戒を強めているそうだ。
「ファイブ・アイズ」は機密情報共有の枠組みことで、アメリカとイギリスが立ち上げ、1950年代までにカナダ、オーストラリア、ニュージーランドが加わった。
それ以来、加盟国は世界で最も重要な諜報機関の同盟だと自負してきたが、トランプ大統領がロシアの制裁解除に動き出すなどしたため、信頼関係が損なわれる可能性がある。
取り決めの改定を検討
もっともまだ「ファイブ・アイズ」の同盟を、撤回する決定はなされていない。しかし詳しい専門家によれば、現在の取り決めを改定する方法が検討され、議論されているという。
アメリカ政府の対ロシア政策がどの程度変更されたかは、まだ不明だが、ウクライナに対するアメリカの軍事支援と情報共有の一時停止は、同盟国にトランプ氏がどちらの側にいるのかを明確に伝えている。
西側の政府関係者もNBCに対し、「同盟国は、歴史的な転換となり得るこの変化の影響を検討している」と述べたそうだ。
駐英ウクライナ大使のヴァレリー・ザルジニー氏は、イギリスの王立国際問題研究所主催の会議で、「悪の枢軸とロシアだけが世界システムを混乱させているのではなく、アメリカがついにこの秩序を破壊し始めた」と語ったという。
同大使はまた、ロシアの次の標的は「ヨーロッパになる可能性がある」と警告。現在の路線が続けば、NATOは今後数年で消滅する可能性があると述べたそうだ。(了)
出典元:METRO:‘Five Eyes alliance’ crumbling after UK, Australia, New Zealand and Canada give US cold shoulder(3/6)
出典元:NBC:As Trump pivots to Russia, allies weigh sharing less intel with U.S.(3/6)