火星にキノコ?NASAの探査ローバーが撮影した写真が話題に

NASAの探査ローバーが以前、撮影した写真にキノコのようなものが映っているとして、最近、注目を集めている。
UFO研究家が「キノコ」だと主張
その写真はNASAの探査ローバー「キュリオシティ」が2013年に撮影したものだが、それまでキノコのようなものが映っていることに、誰も気づかなかったという。
ところがUFO研究家のスコット・ウェアリング氏は今週初め、自身のウェブサイトでこの「キノコ」の写真を紹介。「NASAがなぜこんなものを見逃したのか、全く理解できない」と述べたそうだ。
またウェアリング氏は、ウェブサイトで「キノコの先端は丸く、凹凸があり、しわが寄っている。私の家の庭にあるキノコと同じだ。これは明らかに火星の土から隆起したものだ」と主張した。
「火星の表面は過酷な環境」
確かにキノコの胞子は丈夫で、国際宇宙ステーションの環境下でも1年以上生き延びたことがあるという。
しかしロンドン大学(UCL)ムラード宇宙科学研究所のルイザ・プレストン博士は、メトロ誌に対し次のように述べている。
「火星の表面には、殺菌効果の高い放射線、低い気圧、氷点下の気温といった過酷な環境が存在します。そのため、これはキノコではありません。これらの環境は、地球上で発見された最も丈夫な生命体でさえ、生き残るには過酷すぎます」
プレストン博士によれば、火星に生命が存在するとしたら、地表の過酷な環境から守られている地下で見つかる可能性が高いという。
またこのキノコのようなものは、実際には凝結し、または浸食された小石と、その上に置かれた大きな岩石との組み合わせと思われ、カメラアングルによって、そう見えるのだと説明している。
ただしプレストン博士は、火星に他の生命体を見つける希望がまだあるとも述べている。
ヨーロッパ初となる火星探査ローバー「ロザリンド・フランクリン」は、2028年に打ち上げられる予定で、火星の地表から最大2m下まで掘削し、過去、あるいは現在も存在する生命の証拠を探す予定だという。(了)
出典元:METRO:Expert gives verdict on ‘wrinkled mushroom’ spotted on Mars(6/18)