「反米的な発言は許さない!」トランプ政権、5500万人以上のビザ所有者を精査

トランプ政権は、アメリカへ移住を希望する人の、SNS上での過去の発言などを調査するとし、移民の取り締まりを強化している。
5500万人以上の記録を精査
トランプ政権は8月19日、アメリカへの居住を希望する人々の申請を審査する際、SNS上での発言を含む、「反米」的な見解を確認すると発表した。
これを受け国務省は、5500万人以上のビザ保有者の記録を、入国管理規則違反の可能性や国外追放の可能性の有無について精査していると明らかにした。
またビザの所有資格があるかどうかは、今後も継続して審査が行われ、資格がないと判断された場合、ビザは取り消され、国外追放の対象になるという。
国務省の報道官は「国務省は、本人にビザの取得資格がない場合、いつでもビザを取り消します。これには、オーバーステイ、犯罪行為、公共の安全に対する脅威、あらゆる形態のテロ活動への関与、テロ組織への支援などが含まれます」と述べたそうだ。
「反米活動の審査も加える」
アメリカでの滞在または市民権取得の申請を処理するアメリカ市民権・移民業務局(USCIS)は、申請者のSNSでの投稿の審査を強化し、「反米活動の審査も加える」とし、次のように述べた。
「アメリカを軽蔑し、反米イデオロギーを推進する人々に、アメリカの恩恵を与えるべきではありません。市民権・移民業務局は、反米主義を根絶するための政策と手続きを実施し、可能な限り、厳格な審査と審査措置の実施を支援することに尽力しています。アメリカでの居住と就労を含む移民上の恩恵は、権利ではなく特権であり続けます」
歴史的に「反米主義」という概念は、主に共産主義に焦点が当てられてきたという。
しかしトランプ政権は1月以来、特にイスラエルに関して、アメリカの外交政策上の利益に反するとみなされる人々の短期ビザを、拒否または取り消す動きを強めている。
実際、移民審査に関する最新の方針では、申請者が「反ユダヤ主義的イデオロギーを推進しているかどうか」を当局が審査するとしている。
トランプ政権は、イスラエルによるガザ地区への軍事攻撃に反対する抗議活動に参加した学生と大学を、反ユダヤ主義およびテロ支援の容疑で非難してきた。
4月には、数百人の留学生の法的地位を取り消したり変更したりし、5月には学生ビザの面接が一時的に停止され、6月にはアメリカへの留学を希望する留学生向けに、SNSでの審査措置が導入された。
また国務省は8月18日、マルコ・ルビオ国務長官が1月に就任して以来、不法滞在や地方・州・連邦法違反を理由に6000件の学生ビザを取り消したと発表している。
その「大多数」(約4000件)は、暴行や飲酒運転、窃盗、そして「テロ支援」といった「法律違反」を理由にビザが取り消されたという。(了)
出典元:The Guardian:Trump administration to review 55m US visa holders for potential rule violations(8/21)