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ナチス・ドイツは実用的な原子炉の完成には程遠い状況だった:研究結果

ナチス・ドイツは実用的な原子炉の完成には程遠い状況だった:研究結果
Public Domain

1945年当時、ナチス・ドイツが実用的な原子炉の開発には程遠い状況にあったとする、新たな研究結果が発表された。

 

「B8型原子炉」

 

原爆製造には原子炉を建設して核分裂性物質を生成する必要があり、ナチス・ドイツは第2次世界大戦末期、核兵器開発をめぐりアメリカと競争していたという。

 

ナチス・ドイツが建設を試みた原子炉は、減速材として重水を用いた「B8型原子炉」だったとされている。

 

そして「B8原子炉」を設計したヴェルナー・ハイゼンベルク(ノーベル賞を受賞したドイツの物理学者)は、原子炉の開発が「あと一歩だった」と主張したが、今回「PNAS Nexus」誌に掲載された新しい研究では、「完成には程遠い状況」だったことが示された。

 

ウランや重水が大幅に足りず

 

ハイゼンベルクは1947年のネイチャー誌の記事で、ドイツが完全な機能を持つ原子炉の建設にかなり近づいていたと主張。「B8原子炉」が持続的な核分裂を実現するには、「わずかに不十分」であり、「比較的少量のウラン」が不足しているだけだったと述べたという。

 

しかし今回、研究者はドイツのプロジェクトで使用された2つの天然ウラン(立方体)や歴史的記録、技術報告書、書簡、その他の資料を分析した。

 

X_Owen Gregorian

 

その結果、「B8原子炉」には、使用された量の約2倍のウランと重水が必要だったことが明らかとなり、ハイゼンベルクが「必要な量を大幅に過小評価していた」ことが示された。

 

研究者らは論文において、「ドイツは実際に使用した量の約2倍のウランと、約2.2倍の重水を必要としたはずであり、これはハイゼンベルクの予測をはるかに超える量である」と記している。

 

アメリカは黒鉛を使用して原子炉を完成

 

当時、ドイツにとって、重水の唯一の供給源はノルウェーのノルスク・ハイドロ発電所で、この発電所は1940年4月から1944年11月まで、ドイツの支配下にあったそうだ。

 

一方、アメリカ側は原子炉の減速材として黒鉛を使用し、結果的に原子炉を完成させ、マンハッタン計画により原子爆弾を生み出し、日本に壊滅的な打撃を与えた。

 

また歴史家たちは長年、ドイツがアメリカのように黒鉛を減速材として使用していれば、原子炉開発でも優位に立てたはずだと指摘してきたという。

 

しかしドイツ占領地域で入手可能な黒鉛は、適切な代替減速材として使用できるものではなかったと考えられている。

 

このことから研究者らは、論文において「我々の研究結果は、ドイツが第二次世界大戦中に、重水炉も黒鉛炉も製造できなかったことを示している」と結論付けた。(了)

 

出典元:INDEPENDENT:Nazi Germany was much further from building a working nuclear reactor than Heisenberg claimed(10/1)

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