AIが作り出したウイルスが、治療目的で初めて人体に入る

AIが設計したウイルスを、自分の体に注射したいと思う人は多くないだろう。だが、少なくとも1人が、それを行った。そのウイルスを開発した企業が、発表している。
細菌を殺すウイルス
バイオサイエンス分野のスタートアップ企業「Radical Numerics」は今週、ある患者がAI設計のウイルスによる治療を受けた、という報告書を発表した。
同社のAIモデル「オムニ-1(Omnii-1)」が作り出したウイルスは、バクテリオファージと呼ばれる種類の1つ。バクテリオファージは、細菌にとり付き、自己増殖しながらその細菌を溶かしてしまう。人間の細胞が感染することはなく、細菌だけを死滅させるため、深刻な細菌感染症の治療に用いられることがある。
このこと自体に新しさはないが、「Radical Numerics」のAIモデルは、このバクテリオファージに新種を作り出した。患者が感染している特定の細菌を殺すために、ウイルスを、言わばオーダーメイドで完成させた。海外メディアによれば、これは史上初のことだそう。
効果はまだ不明
「Radical Numerics」社の臨床実験は、現在進行中。その結果はまだ発表されていない。つまり、AI設計のウイルスを注射した患者がどうなったかは、まだ分かっていない。
また、同社の報告書(論文)は、単にサイトに掲載されただけで、査読を受けておらず、科学雑誌にも掲載されていないため、「疑問の余地がある」とする海外メディアもある。
同社のCEOであるEric Nguyen氏は、患者から同意が得られ次第、詳細を共有する予定である、と述べた。また、現時点でこれ以上の情報を開示できない理由として、守秘義務契約を挙げた。
バクテリオファージを用いた療法は、多くの場合、数日から数週間で終わる。しかし、臨床実験では、感染症が治癒し、再発しないことを確認するために、より長期で患者をモニタリングする必要がある。今回の治療の結果が出るのは、しばらく先になりそうだ。(了)
出典元:Mashable:AI-designed virus infects person for the first time(10/23)
出典元:Radical Numerics
出典元:Wikipedia_バクテリオファージ


























