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渡り鳥が時差ぼけ、体内時計が狂い、飛行ルートを外れることが判明

渡り鳥が時差ぼけ、体内時計が狂い、飛行ルートを外れることが判明
flickr_Jo Garbutt

イギリスで、渡り鳥の研究が進められ、意外なことに時差ぼけを起こしていることが明らかにされた。

 

体内時計が時差ぼけのような状態

 

この研究を行ったのは、イングランドにあるオックスフォード大学の研究チームだ。

 

彼らはイギリスの西海岸に生息する、「マンクスミズナギドリ(Manx shearwater)」と呼ばれる渡り鳥の、20年分に及ぶGPS追跡データを分析したという。

 

その結果、大西洋を横断して東へ向かい、イギリスの巣に戻る際、「マンクスミズナギドリ」の体内時計が現地時間より1時間ほど遅れる、といった明確な影響が見られたという。

 

しかも、それにより方向感覚がずれ、時には飛行コースから、数百キロも外れてしまう現象が確認されたそうだ。

 

今回の研究に携わった、オックスフォード大学の行動・感覚生態学者であるパトリック・ルーウィン博士は、「鳥の体内時計が時差ぼけのような現象を起こし、その結果、鳥が飛行ルートから外れてしまうのです」と説明している。

 

太陽を羅針盤として利用

 

多くの動物と同じように、「ミズナギドリ」も太陽を羅針盤として利用しているという。

 

地球の自転に伴い太陽は移動するため、正確な位置を把握するために、鳥は体内時計を使って時刻を把握し、太陽に対する進行方向を調整する必要があるそうだ。

 

また日の出と日の入りが、鳥の体内時計を同期させ、現地時間の変化に適応するのに役立っている。

 

科学誌「サイエンス」に掲載された研究論文の中で、ルーウィン博士は「現地時間と鳥の体内時計のずれによって、太陽が予想よりも遠い位置にある場合、鳥が進路を誤る可能性がある」と述べている。

 

しかも驚くべきことに、鳥が海岸線に沿って移動している場合、つまり目印となる地形が鳥の方向感覚を導くことができるはずなのに、体内時計の誤差は解消されなかったという。

 

若い鳥が大きくコースを外れる可能性

 

もっとも成鳥のミズナギドリにとって、体内時計の誤差は全体の移動距離にほとんど影響を与えず、飛行中に方向を修正できるため、1000kmの移動距離にわずか5kmの誤差が生じる程度だったそうだ。

 

しかし、初めて渡りをする若い鳥の場合、誤差による方向感覚のずれは、数百キロメートルに及ぶ可能性があるという。若い鳥は道に迷った際に方向を再確認するための、「地図」を持っていないからだ。

 

この研究には関わっていない、ウェールズにあるバンガー大学のリチャード・ホランド教授は、重要な発見だとし、「この研究は、動物の行動における様々な状況下での、生物内のリズムの役割を理解することの重要性を浮き彫りにしています」と述べている。(了)

 

出典元:The Guardian:Migrating seabirds face a surprising problem: jet lag(10/29)

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