スェーデンの女性活動家が、強制送還される亡命申請者を救う為に着席拒否をし、飛行機の離陸を妨害するという出来事が起こった。
最終的に彼女の要求は受け入れられ、亡命申請者は機内から降ろされた。この様子を撮影した動画がネット上で公開されると、瞬く間に世間の話題となり、メディアの報道も含めると視聴回数は200万回以上に及んでいる。
亡命申請者を助ける為に搭乗する女子大生
一躍有名となったのは、スェーデン出身の女性活動家Elin Erssonさん(22歳)。
大学生でもある彼女は、亡命を申請しているアフガニスタン人が本国へ強制送還されるとの情報を入手、他の活動メンバーとともにヨーテボリ発、トルコのイスタンブール行の飛行機に乗り込んだ。
搭乗するとErssonさんは、パイロットが強制送還者の搭乗を拒む権利があることを主張し、この権利を行使するよう求めた。
そして彼女は、亡命申請者が機内から降りるまで着席を拒むという行動に出て、その様子を自身の携帯電話で撮影し始めたのだ。
行動の一部始終を携帯電話で撮影
フライトアテンダントや他の乗客から着席するよう言われるErssonさんだが、彼女はそれを断固拒否。亡命申請者が降機すれば自分は着席すると繰り返した。
ビデオからは、怒った乗客が「座れ!早く出発したいんだ!」と叫んでいる声が聞こえている。
また、フライトアテンダントと思われる人物が、Erssonさんの携帯電話を取り上げようとする様子も捉えられている。
Erssonさんに抗議する1人の男性に向かって彼女はこう言う。「1人の人間の人生とあなたの時間、どちらが大切なのですか?」
それに対し、男性は彼女を非難する。「迷惑なヤツだ。」「恐ろしい子供だな。」そしてこう付け加えた。「君がどう考えようと、私には関係ない。」
一方で、Erssonさんに温かい言葉をかけ、彼女の行動に賛同する乗客もいたという。
感動の結末に涙する彼女
そして遂に彼女の願いは聞き入れられた。
亡命申請者が飛行機から降ろされるのを見たErssonさんの目からは涙が溢れる。機内は拍手で湧き上がった。
その後、Erssonさんも機内から降りるよう指示されたという。
地元メディアの取材を受けたErssonさんは、自身の行動について「何も法を犯していない」と述べている。「これは、ここスウェーデンでの権利なのです。」
しかし、当局の見解は違うようで、搭乗時にパイロットの指示に背いた者は、禁固6カ月の刑に罰せられることもあるという。
また、今回強制送還を免れた52歳の男性は、再度送還処置が取られる予定だそうだ。
Erssonさんが公開したビデオは、ネット上で拡散され世間の話題となった。彼女の行動を賞賛する声が挙がる一方で、異議を唱える人たちもいるようだ。(了)
出典:Independent:
Swedish student prevents deportation of Afghan asylum seeker by refusing to sit down on flight (7/25)
出典:Vogue:
A Swedish Student’s Plane Protest Went Viral After It Stopped a Deportation (7/26)