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伊国境を越える移民の子供たち、性行為を強要されていることが明らかに

伊国境を越える移民の子供たち、性行為を強要されていることが明らかに
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イタリア・フランス間の国境を越えるため、移民の子供らが性的な行為を強要されていることが明らかとなり、波紋を広げている。

 

国境越えの手助けの見返りとして性的行為を強要

 

今回の調査を明らかにしたのは、英国発の非政府組織「Save the Children」のイタリア事務局。

 

同組織のレポートによると、イタリアから国境を越えてフランスに渡る際、安全な国境越えを手助けしてもらうためドライバーに支払う50~150ユーロ(約6490~1万9470円)を用意できなかった子供らが、性的行為を強要されているという。

 

被害を受けた人の多くは、サブサハラアフリカ(アフリカ大陸内の北アフリカを含まぬ地域)の出身者であるとのことだ。

 

一方、性的行為を行った移民の子供らには、国境越えのサポートのみならず、食べ物やシェルターも見返りとして与えられているという。

 

イタリア内広範な地域で1900人以上もが性的虐待に

 

レポートによると、性的虐待が行われている主な地域として上げられるのは、多くの移民がフランス側へと渡る際に通過する、イタリア北西部リグーリア州のフランス国境沿いの町ヴェンティミーリア。

 

世界各地の貧困者を救済することを目指す非営利組織「Oxfam」の調査によると、同町では今年の4月までの9カ月間で1万6500人もの移民がフランス側へと向かうために通過しており、その4分の1が子供であったという。

 

しかしそれだけではなく、イタリアの首都ローマやヴェネツィアがある北東部のヴェネト州、アドリア海沿岸で同国中部に位置するアブルッツォ州とマルケ州、さらにはサルデーニャ島まで、性的虐待が行われているのはイタリア国内の広範な地域に及ぶとのことだ。

 

これらの地域で、2017年初頭から2018年3月までの間に1900人以上もの若き女性たちが性的行為を強要されたという。

 

さらにその中の160人は18歳未満の未成年で、それ以外は既に18歳に達したか、あるいは成年を装っていたとのことだ。

 

性的行為の強要には多くの証拠も

 

同組織のイタリア事務局に属するRaffaela Milano氏は、これについてレポート内でこう述べる。

 

“これら(被害者)は、北イタリアの国境を一人で渡る若き移民らの目立たぬ流れの中に身を置いており、他のヨーロッパ諸国にいる親戚や知り合いと合流しようとしている、非常に若くも危険にさらされた少女たちだ。彼らは安全で合法に旅を行う機会を奪われている”

 

さらに氏は、“我々の国の国内で子供と青年が悪徳な搾取者のネットワークに捕らえられているなんて受け入れがたいことだ”としている。

 

またSave the Childrenは、このような性的行為の強要に関しては、今年に入り数多くの証拠も上がっているとする。

 

簡易宿泊所の撤去で状況が悪化

 

さらにMilano氏は、移民の少女らは“虐待と搾取のリスクに非常に強くさらされている”上、多くの場合において“非常に不名誉”であると感じながら生活しているという。

 

今年の4月、ヴェンティミーリアでは移民のための簡易宿泊所を撤去。

 

これによって住む場所を奪われた移民の子供らは、通りでの寝泊まりを余儀なくされており、レポートは“名誉が傷つけられ混沌としており、危険な状態にある”と伝えている。

 

 

国境を越えるという、ただでさえ危険な旅路の中で、さらなる苦難を強いられている移民の子供たち。彼らの現状が少しでも改善される日が来ることを祈るばかりだ。(了)

 

出典:The Guardian:Migrant children sexually exploited to ‘pay’ for Italy-France crossing, says charity(7/29)

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