男性の約1割がセックス中毒の影響に?驚きの研究が明らかに
約1割に上る男性がセックス中毒の影響を受けているとする、驚きの研究が明らかとなり、物議を醸している。
男性の1割が性的妄想などによるストレス抱える?
この驚きの研究結果を発表したのは、米国ミネソタ大学の Janna Dickenson氏率いる研究チームだ。
同研究によると、10%もの男性が性的妄想や性行動を原因とする著しいレベルのストレス、さらには機能障害を抱えているという。さらに女性においても7%もの人が同様の症状を抱えているとのことだ。
さらに2000人以上もの成人を対象として行われた全国調査によると、8%以上もの人が激しい性衝動をコントロールすることができないといった脅迫的で無秩序な性行動の症状を抱えており、それゆえに苦痛や社会的障害を抱える状態にあるという。
セックス中毒の人の見分け方とは?
一方、このようなセックス中毒に陥った人を見分けるのは、そう難しくはなさそうだ。
米国における性行動に関する全国調査「National Survey of Sexual Health and Behavior」には、以下のような質問が含まれているという。
・どれほどの頻度で性衝動をコントロールすることが難しいと感じたか
・どれほどの頻度で性行動をコントロールできないと感じたか
・どれほどの頻度で自らの性行動を変化させると決意したか
・どれほどの頻度で性的妄想や性行動が恋愛の妨げとなったか
もちろんこれだけでセックス中毒と決めつけることは出来ないだろうが、この質問項目はセックス中毒か否かを考える際のちょっとした指標にはなりそうだ。
米国で物議となっている今回の研究
一方、今回の研究は米国において物議を醸している。
研究報告において、Janna Dickenson氏率いる研究チームは過去に性的スキャンダルの上がった著名人の名を具体的に上げつつ、こう指摘する。
“タイガー・ウッズからハーヴェイ・ワインスタインまで、ニュース記事は‘セックス中毒’が従来より増えてきており、認知されていない‘疫病’であると憶測してきた。一方で科学界はそのような問題が存在しているのかどうか議論している”
他方、精神科医の間ではこのような問題が“、真の無秩序”状態であるということに対しては異議が唱えられている。
精神障害の標準的な基準を示す目的によって執筆された、米国精神医学会による書籍『精神障害の診断と統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)』の最新版編集にあたり、同医学会はセックス中毒についても議論。
結果として、セックス中毒は精神障害として診断されないとの結論が下されている。
“セックス中毒”は単なる言い訳?
また性的な問題と共に精神的問題を抱えると訴える人は、自らの不品行を言い訳しているに過ぎない、という見方も存在する。
ニューメキシコで臨床心理士を務める傍ら書籍『セックス中毒の神話(The Myth of Sex Addiction)』を執筆したDavid J. Ley氏は、こう指摘する。
“これは利己的で力強く裕福な男性が、責任感のない衝動的な性的行動を行ってしまうことの説明のため、長きにわたり用いられてきた概念だ”
男性の約1割もの人がセックス中毒の可能性があるとする驚きの研究結果。
セックス中毒が精神障害として診断されるか否かということはさておき、これほど多くの人が性衝動を抑えられずに悩まされているのであるとすれば、やはり深刻な問題であることに変わりないだろう。(了)
出典:NBCNews.com:Sex addiction may affect 10 percent of men, survey finds(11/9)