錠前技師が40年間開けられなかった金庫を、観光客が一度で解錠
カナダの博物館を訪れた観光客が、40年間誰も開錠できなかった展示品の金庫を、見事に開けてしまった。
誰も開けられなかった金庫
重さ900キロのその金庫は、カナダ・アルバータ州にある博物館「Vermilion Heritage Museum」が1990年代初頭から所蔵していたもの。
全体が黒く塗られており、上部には元の所有者であった「Brunswick Hotel」の黄色いロゴが入っている。このホテルは1970年に潰れてしまい、今はない。
ホテルから博物館に金庫が寄贈された時、大事な情報が抜け落ちていた。ダイヤル式の錠の番号だ。
博物館のスタッフは、これまで何度も解錠を試みた。鍵店は可能性のある数字の組み合わせをいくつか挙げたが、どれを試しても開かなかった。金庫のメーカーにも依頼したがダメだった。元所有者であるホテルのマネージャーは番号をすっかり忘れていた。
ある鍵店は、年月が経ちすぎて錠のギアが狂ってしまったのだろう、と言ったそうだ。
博物館に立ち寄った家族
こんな経緯があり、金庫は開かないままVermilion Heritage Museumの展示品となっていた。
そこに来館したのが、観光旅行中Vermilionの町に立ち寄ったStephen Millsさん(36歳)とその家族。職員がガイドする館内ツアーに加わったMillsさんたちは、展示品の金庫が開かないままであるという話を聞いた。
ニュースメディアの取材を受けたMillsさんはこう話す。
その時、私はこう言いました。
「まるでタイムカプセルですね。中に何が入っているか、誰も分からない」
そして彼は、昔のドラマに登場する泥棒のように、膝をついて金庫の扉に耳を押し付けたそうだ。
そうやって皆んなを笑わせようと思ったんです。おどけて映画のシーンのようなことをやって、子供を喜ばせようと。
ダイアルを見ると、0から60までの刻みがあった。彼が最初に試した数字の組み合わせは「20-40-60」だった。それが大当たり。
番号を選んだ理由はありません。何となくです。右に3回まわして20、左に2回まわして40、右に1回まわして60です。それで扉を開けたら、開いたんです。
あごが床に落ちるほど驚きました。
私はすぐさま立ち上がって、頭の中で「今夜すぐに宝くじを買おう」と思っていました。
そこに居合わせた博物館職員のKibblewhiteさんも、「本当に起こったとは信じられない」とメディアに話している。
博物館の発表によれば、金庫の中に入っていたのは財宝や金塊でなく、古い伝票やレシート、ウエイトレスが使うメモパッドなどだった。(了)
出典元:UPI:Museum visitor cracks decades-locked safe on first try(6/6)
出典元:The Washington Post:No one could open a safe for 40 years. A tourist cracked it on his first try(6/6)