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15世紀中国の百科事典「永楽大典」がオークションへ、9億6千万円で落札

15世紀中国の百科事典「永楽大典」がオークションへ、9億6千万円で落札
Beaussant Lefevre

中国明王朝時代に編纂された百科事典のうち2巻がオークションに出品され、予想落札価格の1000倍にあたる約800万ユーロ(約9億6千万円)で競り落とされた。

 

明時代の大百科事典「永楽大典」

 

明の第3代皇帝である永楽帝の命によって編纂されたのが、史上最大の百科事典といわれる「永楽大典(えいらくたいてん)」だ。1404年から1408年にかけて2000人以上の学者が関わって作り上げたとされており、全2万2877巻(目録40巻は除く)にもなる。

 

後の1562年になって2つの写本が作られ、現在はこの写本の一部が残っているだけだ。原本の方は戦乱や火災、盗難などで失われてしまったと考えられている。

 

フランスのBeaussant Lefèvreが開催したオークションに出品されたのは、2巻の写本。写本とはいえ、現存するものは400巻前後しかないので、この2巻は「非常に希少な品」であると担当者は言う。

 

Beaussant Lefevre

 

ちなみに、現在中国や台湾、アメリカ、日本など各地に分散して残っている写本は、全て合わせても「永楽大典」全体の数パーセントにしかならないそうだ。

 

予想価格の1000倍

 

オークションは7月7日に終了し、オークションの手数料も含めて812万8000ユーロで落札された。当初の予想落札価格は5000〜8000ユーロ(約60万円〜約96万円)だったので、なんと約1000倍の値がついたことになる。

 

オークションハウスの出品カタログによれば、この2巻の大きさは縦50.5cm×横30cm。紙の上に赤と黒のインク(墨)で手書きされているとのこと。当時の中国には木版による印刷技術があったが、この「永楽大典」はあまりに長大だったため版木を作れなかったらしい。

 

Beaussant Lefevre

 

また、2巻のうちの1巻は中国の湖について書かれたもの、もう1巻は葬儀や葬式についての知識が網羅された内容になっているそうだ。

 

落札者が誰かは公表されていないが、中国浙江省のJin Liangという起業家だろうという噂がSNSに流れている。(了)

 

出典元:CNN:Ming Dynasty encyclopedia sells for more than $9 million at auction — 1,000 times the expected price(7/9)

出典元:UPI:15th century Chinese encyclopedia volumes sell for $9 million(7/8)

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