故意に感染拡大させようとした?スウェーデンの新型コロナ責任者のメールが流出、炎上
スウェーデンで新型コロナ対策の陣頭指揮にあたっていた人物のEメールが流出し、その内容を巡り炎上する事態となっている。
故意に感染を拡大させようとしていた?
その責任者とは、感染症の専門家であるAnders Tegnell(アンデシュ・テグネル)氏だ。新型コロナウイルスが蔓延した頃から、スウェーデンでの感染症対策を指揮していた人物とされている。
スウェーデンのジャーナリスト・Emanuel Karlstenさんは、情報公開法に基づき、Tegnell氏のEメールを入手。それを公開した。
そこにはTegnell氏が過去に話していたこととは矛盾した内容が書かれており、新型コロナのリスクを知りながら集団免疫を獲得させるために、故意に感染を拡大させようとしていたと受け取れる内容が書かれていたという。
Swedish disease expert under fire for email revealing herd immunity rationale https://t.co/rmrBkRH7vv pic.twitter.com/utScO0nZj2
— New York Post (@nypost) August 22, 2020
学校を開いたのは、集団免疫獲得のため?
そのEメールは3月1日に、フィンランドの感染対策の責任者であるMika Salminen氏へ送られたもので、そこには「集団免疫により早く到達するための1つのポイントは、学校を開放させたままにすることでしょう」と書かれていたとか。
これに対し、メールを受け取ったSalminen氏は「子供たちは今後も他の年齢層の人々に感染を広げていくでしょう。学校を閉鎖させることは、体の弱い年齢層の人々への感染を、少なくとも10%は減らすことができる」と警告。
しかしTegnell氏は、この意見に対し「10%程度で、その価値はあるのだろうか?」と疑問を呈したという。
Tegnell氏は以前、新型コロナへの集団免疫獲得のため意図的に迅速な拡大を求めていたことは否定していたが、今回のメールでその矛盾が露わになった。このため同じスカンジナビア半島の周辺国の人々は怒り、多くの非難の声が寄せられたそうだ。
ジャーナリストに反論
その後の取材に対して、Tegnell氏はEメールの内容があるにも関わらず、「学校を開放させたままにすることが、集団免疫を獲得させる本当の理由ではない」と主張。その上で次のように述べたという。
「私のコメントは起こりえる影響を述べたもので、期待していたことではありません。それは測定値の適切さを評価するための一部だったのです。免疫を獲得することと、学校を開放させたことは、決して関連性はない」
しかし他の報告では、Tegnell氏が公開を求められていた何百ものメールを削除したことが示唆されている。
スウェーデンでは新型コロナが蔓延してから、ロックダウンを行わず、集団免疫を獲得する方向に進んでいたが、今年の上半期の死者は5万1405人に達し、過去150年で最も多くなったという。(了)
出典元:NYPost:Swedish disease expert under fire for email revealing herd immunity rationale(8/21)
出典元:CNN:スウェーデン、上半期の死者数が過去150年で最多に(8/21)