英大学がグレタさんの銅像を建立、学生らが反発、その理由とは?
イギリスの大学に、スウェーデンの環境保護活動家のグレタ・トゥーンベリさんの銅像が建てられた。しかし学生から学校に対して批判の声が寄せられている。
グレタさんの等身大の銅像
イギリスのウィンチェスター大学は先日、約2万4000ポンド(約370万円)かけて、グレタさんの銅像を建てた。
大学側は、これが世界で初めての、グレタさんの等身大の銅像だとして、お披露目。除幕式を行ったという
しかし学生からは「虚栄心のプロジェクト」だとして、非難の声が上がったそうだ。
Bronze statue of @GretaThunberg installed @_UoW as symbol of commitment to combat the climate emergency: https://t.co/K1K3FOTyeL pic.twitter.com/l6vg7wFmd7
— UoW Press Office (@_UoWNews) March 30, 2021
学生側の主張とは?
そもそもこの銅像については、学生自治会や職員組合から発表を延期するよう求められたていたという。
というのも実は大学は長年にわたって緊縮財政をとっており、新型コロナのパンデミックにより、さらに大学の職員の数を減らし、学生へのサービスさえ削減してきたからだ。
このため学生自治会は、銅像を建てるなら、もっとより良いお金の使い道があったと主張。新型コロナにより、影響を受けている学生の支援に使われるべきだったと反発した。
学生自治会の会長であるMegan Ballさんは、大学に除幕式を延期するよう求めたとした上で、次のように取材に語っていた。
「学生たちは怒っていて欲求不満です。私たちは、大学のお金がどのように使われているかを見る機会を持つべきです」
「虚栄心のプロジェクトだ」
これに対し大学の副学長であるJoy Carter教授は、「学生支援サービスや人員配置からの資金は流用されなかった」と主張。その上でグレタさんの銅像を建てた意味を、次のように訴えたそうだ。
「(略)グレタは、人生の困難にもかかわらず、世界をリードする環境活動家になった若い女性です。(略)持続可能性と社会正義のための大学として、私たちはこのように感動的な女性を称えることを誇りに思います。彼女の銅像が私たちのコミュニティに刺激を与え、どんな人生が私たちに投げかけられても、私たちは世界をより良く変えることができることを私たちに思い出させてくれることを願っています」
学生自治会も、「世界的に果たしてきたグレタの役割を支持している」としながらも「大学側が芸術作品の制作を委託する際に、議事録なしで、または委員会の精査を回避しながら行っている。お金を使う、理想的な方法とは言えない」と指摘。今回の銅像は、「退任する副学長による虚栄心のプロジェクトだ」と述べたという。(了)
出典元:sky news:Greta Thunberg statue unveiled at Winchester University despite criticism from union bosses(3/31)
出典元:BBC:Greta Thunberg statue at Winchester university sparks anger(3/30)