人類史上初、NASAが火星で小型ヘリコプターを飛ばすことに成功【動画】
アメリカの航空宇宙局(NASA)が、初めて火星上空にドローンの小型ヘリコプターを飛ばすことに成功した。
3mの高さまで垂直に上昇
そのドローンとは「インジェニュイティー(意味:創意工夫)」と呼ばれ、2月に火星のジェゼロ・クレーターへの着陸に成功した探査ローバー「パーサヴィアランス」に搭載されていたもの。
そして先日から飛行のための準備が進められ、一時は予定が遅れて調整が行われたものの、4月19日に火星の空に飛び立った。
「インジェニュイティー」は今回、3mの高さまで垂直に上昇。96度回転しながら、ホバリングを続け、その後火星の表面に無事着陸した。
時間はわずか40秒ほどだったが、人類が地球以外の惑星で成功させた初めての飛行となる。
Witness the historic moment in full. The Mastcam-Z cameras on @NASAPersevere show us the takeoff, hovering and landing of the #MarsHelicopter. pic.twitter.com/ypdIWmC4D1
— NASA JPL (@NASAJPL) April 19, 2021
🚁 #MarsHelicopter Update
We’re targeting as soon as Monday for the first controlled flight on Mars. Watch with the team as they receive data and find out if they were successful. Meet us in mission control April 19 at 6:15am ET (10:15am UTC): https://t.co/xAdT9tgYr1 pic.twitter.com/8wJEr3CLJa
— NASA (@NASA) April 17, 2021
大気が薄く、難しい挑戦だった
以前も当サイトでお伝えしたが、「インジェニュイティー」にはあるものが搭載されていた。それは1903年に世界で初めて有人動力で空を飛んだ、ライト兄弟の飛行機「ライトフライヤー号(フライヤー1)」の翼の一部だ。
それは飛行機の片翼に使われていた布の断片で、「インジェニュイティー」の内部に収められていたという。
しかし実は、火星の大気の密度は薄く、地球の1%ほどしかないため、軽量のドローンによる飛行といえども難しい挑戦だったと言われている。
また火星の重力は地球よりも弱いが、それでも上昇するには大変な労力を要するそうだ。実際、「インジェニュイティー」の回転翼は、毎分2500回転を記録した。
今回の初飛行に成功した瞬間、地球にあるNASAのコントロールルーム(管制室)は沸き返り、拍手や歓声が上がったという。
Have you heard? We flew a craft on another world for the first time ever with flying colors. Now, relive the scene in Mission Control as news of Ingenuity’s nail-biting takeoff made it back to Earth.#MarsHelicopter pic.twitter.com/ER25G6uhdp
— NASA JPL (@NASAJPL) April 20, 2021
今後「インジェニュイティー」はさらに飛行を重ねることになるが、火星での新たな発見が期待されている。(了)
※BBCではさらに詳しく解説している。是非、ご覧いただきたい。
下はYouTubeに投稿された高画質動画。
出典元:CNBC:NASA flies and lands helicopter on Mars, the first flight on another planet(4/19)